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1986 年度 実績報告書

酵素を利用した効率的チーズ製造システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 61860011
研究機関東京大学

研究代表者

上野川 修一  東大, 農学部, 助教授 (50011945)

研究分担者 皆川 悦雄  北海道農協乳業(株), 開発研究所, 専門研究員
司城 不二  北海道農協乳業(株), 開発研究所, 所長
山内 邦男  東京大学, 農学部, 教授 (60011821)
キーワードゴーダチーズ / 乳酸菌 / プロテアーゼ
研究概要

ゴーダタイプのチーズを製造し、熟成期間の異なるチーズより水溶性の画分を調製した。この画分を逆相カラムを用いたHPLCで分画し、得られた主要ペプチド画分のアミノ酸配列を推定した。熟成期間が異なっても、常に【αs_1】-カゼインのN末端から、1〜9,1〜13,1〜14に相当するペプチが主要な成分であった。さらにこれらペプチドの由来を調べるため、【αs_1】-カゼインのN末端の1〜23のペプチドを基質とし、これにチーズスターターとして用いられている異なる菌株の乳酸菌を作用させたところ、どの菌株にもこのペプチドを分解し、上記ペプチドを遊離するプロティナーゼ活性が見出された。つぎに、この活性をもつ酵素の精製を試みたた。基質には上記した【αs_1】-カゼインのN末端1〜23残基に相当するペプチドを用い、酵素活性はこのペプチドの分解量の減少をHPLCで測定することで決定した。その結果、乳酸菌体中には、2種類のチーズ熟成中のペプチド生成に関与する酵素が存在することが明らかとなり、またいずれの酵素も単一なまでに精製することに成功した。それぞれをLEP【I】,LEP【II】と名付けた。LEP【I】の分子量は98000,最適PHは7,0であり、その活性金属イオンキレート剤で阻害されたことから、活性中心には金属が存在するものと考えられた。LEP【I】の基質特異性はユニークで、Glu-Asnのペプチド結合に対して高い親和性を示すと同時に分子量3000以上のペプチドのペプチド結合は切断しなかった。LEP【II】は、分子量が8000で、LEP【I】と同様に活性中心に金属を配するメタルプロティナーゼであった。この酵素もLEP【I】と同様に分子量4000以上のペプチドを分解しない、いわゆる基質のサイズを認識する新しいタイプの酵素であった。さらに、各種菌株を用いて、ゴーダタイプチーズを製造し、それぞれの風味と上記ペプチドの生成との関連について研究を行なった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Kaminogawa: J.Food Sci.51. 1253-1256 (1986)

  • [文献書誌] T.R.Yan: Evr.J.Biochem. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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