研究課題/領域番号 |
61860022
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
山本 太平 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00032102)
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研究分担者 |
井上 光弘 鳥取大学, 農学部, 助教授 (90032309)
本名 俊正 鳥取大学, 農学部, 助教授 (90093624)
神近 牧男 鳥取大学, 農学部, 助教授 (20032310)
北本 豊 鳥取大学, 農学部, 教授 (10032294)
矢野 友久 鳥取大学, 農学部, 教授 (80032085)
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キーワード | 塩水潅漑 / 点滴潅漑 / 節水栽培 / 地中潅漑 / 塩類動態 / オートラジオグラフィー / 画像処理 / X線フィルム |
研究概要 |
前年度の成果を基にして、各分担研究を継続し次のような結果を得た。 1.大型ガラス室の砂床試験区において、ソルガムの根群域の深さ(二次元)方向の水分・塩類分布を検討した。塩水濃度4,000ppm区と8,000ppm区において、点滴チューブの地表面配置区では地表面付近の塩類集積が顕著にみられた。地中10cm区から地中20cm区ほど表層の塩類集積が少なくなり深さ方向に向って塩類量が増加する傾向がみられた。このような傾向は、4,000ppm区より8,000ppm区の方が明らかであった。 2.地中方式の点滴潅漑法を用いて、極限と考えられる節水栽培を行ない、用水の回収循環利用により潅漑水の利用効率を高める実験を試みた。この結果、(i)供給水量の約30%を回収することができた。ビニールトンネルの被露による保水効果を考慮すると、露地栽培に対して約60%の節水効果を示す、(ii)回収された30%の水は蒸溜水であり、潅漑水に環元すれば塩類化した用水であってもこれを良質水に改善できる、効果が得られた。 3.グロースキャビネット内の作物ポットにマサ土を用いた実験を行なった。マサ土は粒径が細かいため保水性が高く、集中潅漑方式と点滴潅漑方式の間に、水分・塩類動態の差がみられなかった。砂丘砂に比べてマサ土では両方式とも全層にわたり約10%(容積)の水分増がみられ、NaとClが地表面から15cmの深さに集積し、それより深い層への移動が少なかった。 4.前年度までの結果から、X線フィルムを用いたオートラジオグラフィー手法では、β線エネルギーが低いためにX線フィルムでは長時間の暗黒条件下の露光が必要であり、また画像がアナログデータであるために画像処理に多くの労力がかかる欠点がみられた。本年度は、高感度でデジタルデータに変換できるIP(イメージングプレート)を用いて予備的実験を行なった結果、今後この種の研究に有望であることがわかった。
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