研究課題/領域番号 |
61860025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 律也 京都大学, 農学部, 教授 (30026463)
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研究分担者 |
後藤 清和 京都大学, 農学部, 助手 (60026581)
加藤 宏郎 京都大学, 農学部, 助手 (70026566)
池田 善郎 京都大学, 農学部, 助教授 (50026465)
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キーワード | 低温貯蔵 / 湿度制御 / ガス制御 / 穀物 / 青果物 |
研究概要 |
貯蔵する農産物は外囲環境によって貯蔵性が著しく異なる。穀物については温度規制を中心に、また、青果物については温度、水分及びガス組成の最適条件とこれを制御するための研究を行った。得られた成果は次のようである。 1.穀物に対する夏場の除熱には、貯蔵容器外側に設けたビニールパイプに冷水を通すことにより、所定の温度に制御できることが判明した。貯蔵器内の穀温変化は配置するパイプ間隔の影響を受けるので、この点を解明するための実験と理論解析を行った。パイプ間隔を10cm程度に拡げる場合、冷却が進むにつれて器内の温度勾配は小さくなり、20時間後の温度差は1.0℃以内におさまった。 2.冷却速度は農産物の比熱・比重・体積・熱伝達率などによって決まるが、無次元温度と時間の冷却曲線により、その傾きから求められることを明らかにした。この結果にもとづき、パイプ間隔による冷却速度の影響をシミュレーション計算した結果、10cm以上のパイプ間隔では冷却効果が小さいので、6〜8cmに配置すべきことを提示した。なお、出庫時の結露防止のための昇温についても検討したが、上記のパイプ間隔で十分であることが判明した。 3.青果物貯蔵に対しての温度、湿度、ガス組成の最適環境条件は品目によって著しく異なり、不明確なまま残されているので、これらの研究成果を早急に整備する必要性を指摘した。貯蔵環境の最適条件が明らかになれば、本研究で採用している呼吸式気体置換法で制御できることを解明した。 4.呼吸式気体置換法について実験を行った結果、貯蔵袋内の気体組成、置換気体の組成、貯蔵物の体積、加減圧に伴う貯蔵袋の体積変化や空隙変化をとらえることにより、得ようとする気体組成に制御できる計算式を明らかにした。 今年度の成果と61、62年の結果から実用化の見通しが得られたが、実用規模の試作機によって確認する必要がある。
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