研究課題/領域番号 |
61860027
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研究機関 | 石川県農業短期大学 |
研究代表者 |
村瀬 治比古 石川県農短, その他, 助教授 (20137243)
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研究分担者 |
桶 敏 石川県農業短期大学, 農業工学科, 助手 (80177203)
渋沢 栄 石川県農業短期大学, 農業工学科, 助手 (50149465)
中村 喜彰 石川県農業短期大学, 農業工学科, 教授 (50070842)
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キーワード | 有限要素逆解析 / 植物材料 / 農産物物性 / 力学的特性 / フィジオメカニックス / 水ポテンシャル / ポアソン比 / 圧縮試験 |
研究概要 |
本研究の目的は、植物の生物としての特徴を取り扱うことが可能なフィジオメカニックス理論を基に植物組織の力学的挙動を細胞群レベルで計測し、その植物材料の力学的特性を表すフィジオメカニックスミクロモデルパラメータを測定するシステムを開発することである。従来の作物のマクロな力学的特性はこのミクロモデルを用いれば各個体の組織構造を解析することにより推定することができる。 顕微鏡下で植物組織片を一定の水ポテンシャルコントロール環境で圧縮試験することが可能な圧縮試験器をロードセルとリニアステップモータを中心として制作するためのいくつかの基礎実験を行った。植物(トマト)の柔組織を顕微鏡下で圧縮する際、透過光を用いた方が画像処理を行う上で有利であること、水耕栽培トマトの柔組織の細胞の大きさが露地栽培のものより大きく、測定器に試験片をセットする前に水ポテンシャルの降下がかなり大きいこと、リニアステップモータのコントロールで載荷条件を多岐に選択する場合、試験片の大きさにその可変性がかなり制限されるなどのことがわかり、次年度でこれらの結果を踏まえて更にシステムの改良を行う予定である。 本研究においては、計測システムの主要部分に有限要素逆解析法を取り入れており、フィジオメカニックスミクロモデルパラメータ(縦弾性係数・ポアソン比・水ポテンシャル効果係数)を一軸圧縮試験の変形状態の測定から推定できる。そこで、今回は水ポテンシャル場の中で軸対称弾性体の変形を逆解析するための解析コードを作成することが重要課題の一つであった。この解析ソフトウェアの開発はシステム全体を管理するソフトウェアの開発と同時に行い満足できるシステムの基礎を完成した。
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