研究課題/領域番号 |
61860029
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
湯原 正高 岡山大, 農学部, 助教授 (20032980)
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研究分担者 |
西村 和彦 大阪府農林技術センター, 畜産部, 研究員
三谷 克之輔 広島大学, 生物生産学部, 助手 (40034467)
宮本 元 京都大学, 農学部, 助教授 (00026618)
内海 恭三 京都大学, 農学部, 助教授 (90033266)
井上 良 岡山大学, 農学部, 教授 (30031206)
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キーワード | H-Y(モノクローナル)抗体 / 胚のsexing(性分別) / ELSA法 / 新生児精巣 / 牛凍結胚 / 2分別胚 / ステロイドホルモンの測定 |
研究概要 |
ラットの新生児精巣を免疫源として得られた雌脾臓の抗体産生リンパ球をミエローマ細胞と融合させて得られたハイブリドーマの内のH-Y抗体産生細胞のみをELISA法によってスクリーニングする方法を検討した。ELISAの抗原として使用した新生児精巣が他の組織(成雄の精巣上体精子や雄脾臓細胞)より抗体との反応性が強く、しかも、その抗体産生陽性のクローンの殆んどのもの(11クローン中9)が目的とする活性(ラット桑実期胚の胞胚化に関与して、胚盤胞に発育させるものと、腔形成させない胚とに2分別する能力)のあることが知られた。陽性クローンを再クローニングして単クローン作製中であり、この方法によって得られたH-Yモノクローナル抗体の一部はIgG分画であることも認められた。性分別されたラット胚の凍結保存法に改良が加えられ、2Mアドニトールを添加され室温で脱水された胚は室温から直接-190℃の液体窒素ガス中へ移すことによる超急速凍結法でも3段階希釈法によって50%近い生存胚が得られた。ラットのH-Y抗体を使って牛受精卵子をラットの桑実期胚と同様に、胞胚腔形成胚と腔非形成胚とに分別し、分別胚を移植した。現在15頭の受卵牛へ移植し、6頭が妊娠継続中である。性分別胚の有効利用や性染色体検査のためには、牛卵子の簡易凍結法、卵子の2分割法、分割卵子の凍結法、割球の性染色体検査法などが検討された。シュークロース液を使ったストロー内での2段階希釈法によって40〜60%の受胎例、金属刃を使った胚の2分割法によって90%以上の生存胚が得られたが、2分割胚の凍結後の生存性(30%)が低く、染色体の組織学的検出率も10%前後であることなどが今後の問題として残された。高速液体クロマトグラフィーの分画に続くUVと化学イオン検出器による牛血中のステロイドホルモン(PとE)の測定法が確立された。胚の品質や受胎性と供試牛の内分泌環境との関係の解析が期待される。
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