研究課題/領域番号 |
61870009
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80023646)
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研究分担者 |
野田 祐子 金沢大学, 医学部, 助手 (20180755)
紫藤 治 金沢大学, 医学部, 講師 (40175386)
平田 耕造 金沢大学, 医学部, 講師 (70110624)
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キーワード | 直接熱量計 / 自動給水給飼 / 制限摂食 / 熱放散量 / 運動効率 / 体温調節 |
研究概要 |
実験動物に侵襲を加えず、自由運動量、摂食量、摂水量、排泄物の量、体重等を自動的に長時間連続して測定する装置を内蔵した小動物用熱量計を試作し、それを用いて動物が特殊な摂食様式や特殊飼料に馴化する過程で起きるエネルギー摂取量と消費量のバランスを測定、エネルギー効率、食物効率等の変化の原因について考察することを目的としてこの研究を行った。熱量計の製作は前年度までに終了しており、本年度はこのシステムを実際使用しての動物実験と、その際に注意すべき事項の考察に焦点を合わせた。得られた結果は下記のごとくであった。1.直接熱量計内温を上昇させながらの直接熱量計による正確な熱放散量の測定法を考案した。この時、熱量計内に熱源がない条件での熱移動は負であり、初期に速やかに減少した後、緩やかではあるが更に減少を続けた。次に、微小な電熱器を直接熱量計内に置き熱源をプラスとした時の熱移動量の実測値は熱源のない場合の熱移動とほぼ平行であり、熱源からの熱放散量はほぼ一定値として得られ、あらかじめ熱源のない場合の熱の移動曲線を知れば、それを差し引く型で熱流束測定素子平均外壁温が一定でなくともかなり正確に熱移動量を測定しうることが判明した。2.制限摂食スケジュールに馴らしたラットの輪廻し運動と熱産生量の測定から、摂食制限ラットは高い運動効率を持って食物探索はしていないこと、SHRラットでは、摂食活動により引き起こされる熱産生反応が大きいこと、自由行動下のラットでは、温熱負荷に対する体温調節反応に昼夜で差はなかったが、軽度拘束したラットでは温熱負荷に対する熱放散反応は夜間に比し昼間で大で、自律性熱放散機構の反応性に日内差が存在するが、自由行動ラットでは行動(姿勢変化)による熱放散反応によってその差を十分補っていること等を確認した。暑熱馴化による熱出納様式の変化についても複数の実験を通して検討を行った。
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