1.近交系の確立 高環境温度耐性ラットの中に混在しているハイパーサーミアラットを排除して、環境温度42.5℃で300分以上生存するラットの近交系がほぼ確立してきた。さらに、この近交系の中に、400分生存する個体が2匹含まれていた。このことは、この近交系全体を400分近くの生存時間を持つ近交系に改良できることを示している。2.高環境温度耐性ラットを高温環境(37.5℃から42.5℃)に暴露すると、体温が40.5℃で長時間維持されることがわかった。また、唾液腺の潅流実験を生理学研究所で行ったが、技術習得に止まった。 3.SPF動物化は、前述の如く400分以上生存する個体が出現したために、近交系の改良を優先し、昭和63年度へ延期する。 4.F1、F2、BC等を作出して、遺伝解析を行なっている。 リコンビナントインブレッズは、ラット飼育経費の制限があるので、1系統のみ作出した。リコンビナントインブレッズの本質に照らし、1系統のみでは無意味である故に、今後系統を増やさなければならない。 5.従来の研究を完成させる作業を、おこなった。【IV】istar系ラットの比較、および麻酔薬が高環境温度耐性に及ぼす影響の研究を完成した。 6.今後の方向 (1)400分に近い高環境温度耐性ラットの近交系を確立する。 (2)高温環境での体温設定温度と唾液腺潅流実験とを組みあわせる。 (3)遺伝解析を完成する。 (4)リコンビナントインブレッズをあと2系以上作出する。 (5)昭和63年度にSPF化する。
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