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1988 年度 実績報告書

人体細胞形質膜への輸送体の導入とその細胞培養法

研究課題

研究課題/領域番号 61870016
研究機関自治医科大学

研究代表者

香川 靖雄  自治医科大学, 医学部, 教授 (30048962)

研究分担者 浜本 敏郎  自治医科大学, 医学部, 講師 (30189625)
太田 成男  自治医科大学, 医学部, 講師 (00125832)
キーワードATP / ADP交換輸送体 / 酸化的リン酸化 / 欠損株 / 遺伝病 / ミトコンドリア / 遺伝子操作
研究概要

エネルギー源であるATPを細胞外からとり込み生育する細胞を人為的に作製するために、ミトコンドリア内膜タンパクであるADP/ATP交換輸送体の遺伝子を変換して、細胞内へ導入することによって目的の達成に努めたが、以下の二点から困難であることが判明した。
(1)2ATP【double half arrows】ADP+AMPを触媒する酵素が細胞から有意に放出され阻害剤によってもその影響を無視でき〓〓〓
(2)ミトコンドリアDNAの欠損動物細胞株の樹立の報告があり、酸化的リン酸化なしに、培養細胞は生育しうること。
そこで、本年度は、細胞内エネルギー状態の変動と細胞内応答を明らかにする本来の目的を達成する別の系として、酸化的リン酸化欠損株の樹立を試み、以下の三つの系を確立し、本来の目的は達成した。
(1)シトクロム酸化酵素欠損株ーーミトコンドリアミオパチー患者より得た生検筋芽細胞をガンウイルスSV40DNAで形質転換し、永続的な培養を可能にした。その細胞をクローン化し、シトクロム酸化酵素の活性染色により、本酵素活性を欠く細胞株を樹立した。
(2)ピルビン酸脱水素酵素(POH)欠損株ーーPDH欠損症の患者よりリンパ球を分離し、Epstain-Barrウイルスを感染させ、形質転換した。この細胞株より、PDH αサブユニットのcDNAをクローン化し、4塩基の欠失を明らかにし、遺伝的特性を明確にした。
(3)ミトコンドリアの萎縮した細胞株ーーヒト白血病細胞HL60はレケノール酸により顆粒球状へ分化し、レチノールでは分化を誘導しないが、レチノールにより、核にコードされるミトコンドリアタンパクの遺伝子発現が抑えられ、ミトコンドリアは萎縮し、機能を失なった。
以上の三つの系ではいずれもピルビン酸のみでは生育できず、グルコース濃度によって細胞内エネルギー量を調節できた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Ohta;et al.: J.Biol.Chem.263. 11257-11262 (1988)

  • [文献書誌] H.Endo;et al.: Am.J.Human Genetics. (1989)

  • [文献書誌] H.Shimoizumi: Ann.Neurol.(1989)

  • [文献書誌] H.Arai: J.Biol.Chem.

  • [文献書誌] S.Ohta;et al.: Ann.New York Acad.Sci.(1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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