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1988 年度 研究成果報告書概要

イノシトール1,4,5-トリスホスフェイトアッセイキットの開発

研究課題

研究課題/領域番号 61870017
研究種目

試験研究

配分区分補助金
研究分野 病態医化学
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

竹縄 忠臣  東京都老人総合研究所, 薬理学科, 部長 (40101315)

研究分担者 深見 希代子  東京都老人総合研究所, 薬理学部, 助手 (40181242)
研究期間 (年度) 1986 – 1988
キーワードInositol 1,4,5-trisphosphate
研究概要

イノシトールリン脂質代謝亢進を介する細胞内情報伝達系のシグナルは、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスホスフェイト(PIP_2)のホスホリパーゼによる分解で生じたイノシトール1,4,5-トリスホスフェイト(IP_3)やジアシルグリセロール(DG)によって発生する。よってホルモンや神経伝達物質の作用の強さを規定する重要なfactorはシグナル発生脂質であるPIP_2と2ndメッセンージャーたるIP_3とDGである。しかしこれらの物質は超微量の為定量が不可能であった。我々はPIP_3の抗体を作成し、抗体を利用しての定量法を考えた。PIP_2の抗体はリボソーム中にPIP_2を結合させたもので免疫した。血清中の抗体価をELISAでチェックし、脾臓を取り、ミエローマ細胞と融合させた。各々更に抗体価をチェックし、limiting dilutionを行い、モノクローナル抗体を得た。抗PIP_2抗体の特異性を調べたところ、非常に特異性が高くPIP_2とのみ反応し、PIP、PI、IP_3とは反応しなかった。一方抗IP_3抗体の場合、特異性はそれ程高くなく、1,4,5-IP_3、1,3,4-IP_3、1,3,4,5-IP_4の間に免疫交叉性が見られた。その際1,4,5-IP_3の方が1,3,4-IP_3、1,3,4,5-IP_4よりも10倍高い親和性を示した。しかし特異性に関しては未だ不十分であり、新しいクローンを探している。抗PIP_2抗を使ってPIP_2微量定量法を確立した。PIP_2は脂溶性の無水溶液中ではミセルを形成し、通常のラジオイムノアッセイは不可能であった為TLCイムノステイニングによる方法をとった。まず細胞(1×10^6)よりPIP_2を抽出し、TLCで展開した後抗PIP_2抗体をかけて発色させTLCスキャナーでスキャンした。本法は20pmol〜1nmolという微量のPIP_2を定量でき従来の無機リン定量法に比して1,000倍感度が上昇した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Matsuoka;Fukami;Nakamishi;Kawai;Takenawa: Science. 239. 640-643 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Uno;Fukami;Kato;Takenawa;Ishikawa: Nature. 333. 188-190 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fukami;Matsuoka;Nakanishi;Yamakawa;Kawai;Takenawa: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 85. 9057-9061 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Fukami;Takenawa: J.Biol.Chem.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Matsuoka; Fukami; Nakanishi; Kawai; Takenawa: "Mitogenesis in Response to PDGF and Bombesisn Abolished by Microinjection of Antibody to PIP_2" Science. 239. 640-643 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Uno; Fukami; Kato; Takenawa; Ishikawa: "Essential Role for Phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate in Yeast Cell Proliferation" Nature. 333. 188-190 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Fukami; Matsuoka; Nakanishi; Yamakawa; Kawai; Takenawa: "Antibody to phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate inhibits oncogene-induced mitogenesis" Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 85. 9057-9061 (1988)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Fukami; Takenawa: "Quantitative Changes in Polyphosphoinositides, 1,2-diacylglycerol and Inositol 1,4,5-trisphosphate by PDGF anad PGF_<2 >" J. Biol. Chem.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1990-12-19  

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