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1988 年度 実績報告書

ヒト神経系病変の定量形学的研究ー二次元画像処理システムを用いた研究法の開発ー

研究課題

研究課題/領域番号 61870021
研究機関東京大学

研究代表者

朝長 正徳  東京大学, 医学部, 教授 (10072977)

研究分担者 勝沼 英宇  東京医大, 老年科, 教授
萬年 徹  東京大学, 医学部, 教授 (10010208)
村山 繁雄  東京大学, 医学部, 助手 (50183653)
池田 和彦  東京大学, 医学部, 助手 (30124663)
キーワード画像解析 / 老化 / プルキエ細胞 / ゴルジ標本
研究概要

NASAの宇宙開発技術あるいはスパイ衛生ランドサットでの技術のために開発された画像処理システムであるnexus6400を用いて、病理組織標本での定量的解析のためのノウハウの開発を行ってきたが、今年度はゴルジ標本を用いたヒト小脳プルキンエ細胞の加齢に伴う変化の定量的な計測を試みた。検索対象は、老年痴呆4例(平均年令83.3才)、若年正常例6例(平均年令49.7才)、高令正常例3例(平均年令81.6才)である。方法は、歯状核をとうる矢状断面の小脳皮質をゴルジ染色し、厚さ100μmの連続切片(24ー42枚)を作成してプルキンエ細胞を観察した、細胞体および樹状突起が比較的明瞭に染まっているプルキンエ細胞のうち、細胞体から出ている樹状突起が一本しかないものを各例症で50個ずつ選び、計測プログラムを作成し、細胞体の断面積A(μm^2)、樹状突起近位部の最小径D(μm)、細胞体から樹状突起第一分岐部までの長さL(μm)、細胞密度CD(個/μm)を測定した。CDは各症例10ケ所(フォリアの山5ケ所谷5ケ所)で測定した。その結果、A値は老年痴呆群で高令、若年正常群に比して低値を示したが、若年群に対しては有意の差がみられた。D値については、老年痴呆群が高令正常群より低値であったが有意ではなかった。L値には一定の傾向がなかった。CD値は加令とともに減少する傾向(r=-0.81.P<0.01)を示し、これは山の部分で著明であった。老年痴呆では、高令正常群とは差がなかったが、若年正常群より有意に低値を示した。このようにこの装置を用いて、ゴルジ標本での定量的解析が可能になった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 朝長正徳: 脳と神経. 40. 57-64 (1988)

  • [文献書誌] 朝長正徳: 老人科診療. 9. 85-90 (1988)

  • [文献書誌] 下手公一,朝長正徳ほか: 日本老年医学会雑誌. 24. 513-518 (1988)

  • [文献書誌] 福田準,吉村正博,河崎博,山之内博,葛原茂樹,嶋田裕之,朝長正徳: 日本老年医学会雑誌. 25. 480-485 (1988)

  • [文献書誌] 朝長正徳: "アルツハイマー型老人痴呆" 藤田企画出版, (1988)

  • [文献書誌] 朝長正徳: "脳の老化とぼけ" 紀伊國屋書店, (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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