研究課題/領域番号 |
61870025
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
五十嵐 章 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40029773)
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研究分担者 |
藤田 弘之 財団法人阪大微生物病研究会, 観音寺研究所, 生物工学センター主任 (30156880)
高木 光生 財団法人阪大微生物病研究会, 観音寺研究所, 技術部次長 (60113453)
吉田 厳 財団法人阪大微生物病研究会, 観音寺研究所, 品質管理部長 (60072782)
森田 公一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (40182240)
榊 佳之 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (10112327)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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キーワード | 日本脳炎ウイルス / 組換えDNA / 第二世代ワクチン / Eタンパク |
研究概要 |
日本脳炎の流行が現在問題となっているアジアの開発途上国において日本脳炎を防除する目的のために組換えDNA技術を用いた第二世代日本脳炎ワクチンの開発を行なった。そのための基礎的情報を得るためにウイルス遺伝子・RNAの含塩基配列を解明した結果、ウイルスRNAは10,976塩基より成り、末端に95塩基と37末端に585塩基の非コード領域を有し、その間に10,296塩基の長いOpen reading frowl(ORF)が存在する事が解明された。ウイルス構造タンパクのN-末端アミノ酸配列解析結果から構造タンパク遺伝子は、ORFの5側約4分の1にC.ProM(Mの前駆体)、Eの順に存在する事が解明された。日本脳炎の感染防御に最も重要な役割を演ずるのは中和抗体であり中和抗体を産生する抗原決定基はEタンパクに存在する事が知られているので、Eタンパク遺伝子のcDNAを種々の発現ベクタールに組み込んでEタンパクを産生する事を試みた。Eタンパクの発現は組換え酵母菌、動物細胞、ワクシニアウイルス、蚕核多角体ウイルスでそれぞれ発現が認められたが、その免疫属性は現行ワクチンに比べてはるかに低い結果しか得られなかった。その原因としては(1)Eタンパクの発現量、(2)発現されたタンパクの立体構造と安定性、(3)Eタンパクの免疫属性と立体構造の関係が考えられ、今後これらの問題を解決すると共に、Eタンパクの精製とタンパク変性操作で破壊されない中和抗体産生のための抗原決定基がEタンパクのC末端側に存在するので、これを目標として発現実験を行なう事によって当初の目的を達成するよう努力する必要がある。
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