• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

ラテックス凝集反応による簡単な免疫測定法

研究課題

研究課題/領域番号 61870032
研究機関順天堂大学

研究代表者

松沢 茂隆  順天堂大学, 医学部法医学, 教授 (90052969)

研究分担者 小林 了  順天堂大学, 医学部法医学, 助手 (40146775)
伊藤 幸夫  順天堂大学, 医学部法医学, 助手 (70053345)
木村 博子  順天堂大学, 医学部法医学, 講師 (00053299)
キーワードラテックス粒子 / 血球凝集反応 / 免疫測定 / 血液型 / 血痕
研究概要

前年度までの研究で、抗原や抗体で被覆したラテックス粒子の凝集反応像からする免疫測定法の研究は一応の成果を得たので、今年度はラテックス凝集反応による免疫測定法を血球凝集反応に応用する研究を行った。
赤血球膜は柔軟で粘着性を有するため、凝集反応を起しやすいが非特異的凝集も生じやすく、時間経過と共に被凝集性が低下したり溶血したりする欠点があり、そのままでは抗原抗体反応定量用担体には使用できない。私たちはグルタルアルデヒド固定により赤血球の硬化と保存性の向上を図った。従来の報告は固定血球の被凝集性は著しく低下すると述べているが、面積測定法で正確に判定したところでは、凝集塊は小さくなっているが被凝集価は未処理血球とほとんど変わらないことが分った。このような成績は、ラテックス凝集反応で確立された方法を赤血球凝集反応に応用できることを示すものであった。
固定赤血球を用いた面積測定法により抗A、抗B凝集素を測定すると、未処理血球を用いた場合と同程度の鋭敏度が得られ、再現性は向上した。この方法は血清中の抗A、抗B凝集素の検出に用いることができ、ABO式血液型判定に際しての「裏試験」や「凝集素検査による血痕のABO式血液型判定」を行うことができた。固定赤血球を用いた面積測定法を解離試験などと組合せて行うことで各種の血液型の法医学的検査の鋭敏度と正確さが向上した。例えば、未処理血球を用いた従来の解離試験に比べてAおよびB型質は10^3〜10^5倍、H型質は10倍に希釈した後でも検出可能であった。
面積測定によるラテックス免疫測定の性能を一層向上させる研究はある程度進展したが、高性能ラテックス粒子の改良が遅れたため、業績としての発表は次年度になる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shigetaka Matsuzawa;Hiroko Kimura;Hiroko Suzuki: J.Immunoassay. 9. 1-18 (1988)

  • [文献書誌] 木村博子,鈴木裕子,松沢茂隆: 日本法医学雑誌. 42. 292-301 (1988)

  • [文献書誌] 鈴木裕子,木村博子,松沢茂隆: 日本法医学雑誌. 42. 302-310 (1988)

  • [文献書誌] 木村博子,鈴木裕子,松沢茂隆: 日本法医学雑誌. 42. 555-563 (1988)

  • [文献書誌] Shigetaka Matsuzawa;Hiroko Kimura;Hiroko Suzuki: J.Immunol Methods.

  • [文献書誌] 松沢茂隆: 学術月報. 41. 62 (1988)

URL: 

公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi