研究分担者 |
宮園 浩平 東京大学, 医学部, 医員
渡辺 純一 東京大学, 医学部, 医員
平井 久丸 東京大学, 医学部, 助手 (90181130)
岡部 哲郎 東京大学, 医学部, 助手 (80169135)
浦部 晶夫 東京大学, 医学部, 助手 (60142246)
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研究概要 |
われわれは血小板中に既知の成長因子とは異なる、血管内皮細胞に比較的特異的に作用する成長因子(VEPF)が存在することを報告している。本研究では、その純化精製を行い、さらに、血小板中に存在することが知られている他の成長因子との比較を行った。 1.方法 (1)増殖促進作用の測定 培養ミニブタ大動脈内皮細胞に試料を添加した後、トリチウムチミジンのDNAへの取り込みを測定した。 (2)血小板抽出液 多血小板血漿に塩化アンモニウムを加えて血小板を破壊し、さらに塩化カルシウムを加えてフィブリンを除去した。これにSulfadex gelを加えて、吸着した画分は血小板由来成長因子(PDGF)の純化精製に用い、非吸着画分をVEPFの純化に用いた。 2.成績 VEPFはSephadexG-75で分子量60,000および20,000の位置に溶出し、等電点4.0-4.8の酸性タンパク質で、熱や酸に不安定であるが、還元剤処理に対しては安定である。純化精製には、QAE-Sephadex クロマトグラフィ-、硫安沈殿、DEAE-Sepharose クロマトグラフィー,クロマトフォーカシング,ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー,TSK-4000カラムなどを用いた。その結果、VEPFはPDGF、上皮由来成長因子、トランスフォーミング成長因子と物質的に異なるものであることが明らかになった。
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