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1988 年度 実績報告書

高周波による皮表角層の水分含有計測機器の基礎的研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 61870041
研究機関東北大学

研究代表者

田上 八朗  東北大学, 医学部, 教授 (60026911)

研究分担者 六郷 正和  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60183711)
橋本 久美子  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (00201707)
只木 行啓  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40188256)
キーワード角層 / 保湿性 / 高周波 / 伝導度 / 生体シミュレイションモデル
研究概要

1.物理化学的処理の角層に対する影響
生体向層シミュレイションモデルを用い、生体では行いえない過酷な物理化学的処理かどのような影響を角層へ与えるかを検討してみた。
90℃の熱湯を3分間まで角層片に押し当てた実験では、一時的には角層のバリアー機能の亢進がみられても、温度の低下とともにそれが正常化することを確かめた。保湿性に関してはほとんど変化はみられなかった。
液体窒素を圧抵した場合も、2分間までの接触はなんら影響を与えなかった。
これらはいずれも、生体で行った場合は、水疱形成、糜爛を生じてくる処置である。角層にはなんらの機能的変化を残さないことより、生体の組織に対する影響による病変を作るか、角層はこのような過酷な処置に十分耐えうる強靱な生体由来の防禦膜であることが明らかとなった。
2.活性ビタミンD3外用剤塗布の角層に対する影響
活性ビタミンD3の外用は炎症性角化異常性である乾癬に対し有効であることが近年確かめられた。この誘導体である1,24(OH)_2-vitaminD3のワセリン製剤を、基剤、あるいは市販のbetamethasone-17-valerate外用剤とを健常成人10人で、1日目2回、4週間塗布し、それぞれの角層に与える効果を比較してみた。その結果、塗布を受けた大腿屈側の皮膚において、角層のバリア機能には、ほとんど変化がみられなかったか、活性ビタミンD3塗布部は対照の基剤のみの部位や市販のステロイド外用剤の塗布部に比し有意に高周波伝導度、すなわち皮表角層の水分含有量を示した。すなわちこれまでの私たちの研究からも明らかな、表皮の増殖を抑制する作用のほかに、活性ビタミンD3には表皮細胞の分化に影響し、より保湿性の高い角層を造らせる働きがある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 佐々木由美子,橋本久美子,田上八朗: 日本香粧品科学会誌. 12. 90-94 (1988)

  • [文献書誌] 只木行啓,田上八朗: 西日本皮膚科. 50. 450-456 (1988)

  • [文献書誌] M.Obata;et al.: Journal of Investigative Dermatology. (1989)

  • [文献書誌] 田上八朗: 日本香粧品科学会誌. 12. 261-264 (1988)

  • [文献書誌] 田上八朗: "生体角層の機能測定法 久木田淳他篇 現代皮膚科学大系 年刊版88ーA" 中山書店, 55-65 (1988)

  • [文献書誌] H.Tagami: "Aging and the hydration state of the skin.In;Kligman AM.Takase Y.(Eds);Cutaneous Aging" University of Tokyo Press, 99-109 (1988)

  • [文献書誌] H.Tagami: "Impedence measurements for evaluation of the hydration state of the skin surface.In:Leveque J-L(Ed):Cutaneous Investigation in Health and Diseased" Marcel Dekker Inc,New York, 79-111 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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