研究分担者 |
米倉 義晴 京都大学, 医学部, 講師 (60135572)
石井 靖 福井医科大学, 医学部, 教授 (00026949)
須藤 正克 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026867)
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
根来 英雄 福井医科大学, 医学部, 教授 (90018903)
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研究概要 |
核医学的手法を用いた脂肪酸代謝イメージングとその測定法の開発を目的として, C-11およびI-123標識脂肪酸についてその合成法の開発と体内挙動に関する基礎的な検討を行った. ポジトロンCTを用いた測定に利用されるC-11標識脂肪酸の自動合成システムについて検討した. C-11標識二酸化炭素を用いるグリニヤール反応によりC-11標識パルミチン酸およびβ-メチルヘプタデカン酸(BMHDA)を合成し, その体内分布を確認した. パルミチン酸は静脈内投与後直ちに心筋に集積しその後放射能は速やかに減少した. 一方BMHDAは長時間心筋集積が持続した. 日常の核医学診療への応用を目指して, I-123標識脂肪酸の体内挙動とその臨床的意義について基礎的な検討を行った. ヨード標識脂肪酸として直鎖のp-ヨードフェニルペンタデカン酸(IPPA)とBMHDA類似の構造を有するβメチルーp-ヨードフェニルペンタデカン酸(BMIPP)について検討した. IPPAは速やかに心筋の放射能が低下したが, BMIPPの心筋集積は低下せず, 脂質プールへの蓄積が示唆された. 以上の検討から, 直鎖脂肪酸の心筋からの洗い出しによってβ酸化を含む脂肪酸代謝の評価に期待がもたれた. 一方側鎖脂肪酸は, その集積が持続する利点を生かして, 脂肪酸代謝に関連した局所的な変化を把握できるのではないかと考えられた.
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