研究課題
昭和61年度初頭に製作したプロトタイプを改良した臨床応用を目的とした試作機(2号)を昭和61年9月き製作し、健常人を対象とした性能評価を行ない良好な結果を得たので、昭和61年9月に開催された、第24回日本人工臓器学会総会(於東京)にその成績を報告した。試作機(2号)の改良点としては、(1)鼻サーミスタの信号を微分処理して吸気呼気の開始時点がより明瞭に把え得るようにし、個々人に応じてトリガーレベルを変えることにより、個々人に最適化したタイミングで吸気及び呼気の換気補助が行なえる様にしたこと、(2)無呼吸時には自動的に調節呼吸が出来るバックアップシステムを附与したこと、(3)弁機構を改良し弁の数を減らし応答性を高めたこと、(4)ブロアー型ポンプを少し少容量のタイプに変えて作動時の騒音を減弱させたこと、などである。試作機(2号)は既に搬入を終えている。現在、ドームは被験者の体型を石膏型取りしたFRPハードドームであるが、胸部変形の少ない肺気腫や筋無力症などには汎用型ドームを、又胸部変形の著明な胸部成形術後や筋ジストロフィーなどには個人に適合するベットサイドメーキングのドームを試作中である。陰圧式人工呼吸法の呼吸、循環動態に与える影響につき、動物用の陰圧ボックス(ドーム)を作成し、動物(雑種成犬)を対象として実験を行っている。換気補助の為には種々の疾患の換気運動の病態生理を解明する事が重要であるとの認識により、肺のう胞症、胸部成形術後症例などの換気運動の解折をも行ない日本胸部疾患学会、日本胸部外科学会等にてその成績を報告した。研究はほぼ計画通りに進展している。
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