研究分担者 |
野田 裕幸 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (20183551)
梅津 光生 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (90132927)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (00142183)
高野 久輝 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (60028595)
高谷 節雄 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (40154786)
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研究概要 |
この研究の目的は、永久使用を前提に駆動装置をも含めて体内埋め込み式全置換型人工心臓を開発することにある。本年度は、1個の駆動装置を使用して、左右の人工心臓を自然心臓と同じような方式で同時に拍出できる駆動装置を設計,試作して、IN VITROでその性能テストを行なった。駆動装置としては、モーターの回転運動を左右の直線運動に変換できるシリンドリカルカム-ダブルカムフォロワーの設計,試作を行なった。モーターとしては、DCブラッシュレスモーターを使用し、モーターのローター内側にシリンドリカルカムを取り付け、カムの内面に閉鎖状の溝を設けた。ダブルカムフォロワー(2重構造カムフォロワー)のガイドアームは、ローターの回転と共にこのカムの溝に沿って動き、モーターの回転運動を左右の直線運動に変換し、左右に取りつけられたプッシャープレートを加圧して血液を拍出する仕組みである。モーターの回転制御は、3個のホール素子を使用してコミュテーションを行ない、またその信号を使用してモーターの回転スピードを検出し、パルス幅変調回路に入力して行なった。左右のポンプは、MANUAL,FIXED PULSE RATE,FILL/EMPTY,又はSYNCHRONOUSで駆動できるが、FILL/EMPTYモードでは、左右ポンプのプッシャープレートの位置を検出し、左右どちらか先に充満したポンプが拍出をトリガーするLEFT-OR-RIGHTトリガー方式とした。この方法の利点は、右房又は左房圧に応じて、ポンプのトリガーが移行してポンプ流量が変化する仕組みである。このシステムをIN VITRO循環シミュレーターでテストした結果、前負荷10mmHg,左右ポンプの後負荷100mmHg,20mmHgに対して6〜7L/MINのポンプ流量が得られた。また、この時のシステム効率は約30%前後であった。現在、将来の動物実験へ向けて、システムの小型化,軽量化を行なっている。
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