研究課題/領域番号 |
61870060
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
稲田 豊 東大, 医学部, 教授 (40053764)
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研究分担者 |
安本 和正 昭和大学, 医学部, 助教授 (90054030)
赤木 孝江 東京大学, 医学部, 助手
小倉 信 東京大学, 医学部, 助手 (50185568)
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キーワード | 【CO_2】コントローラ / ET【CO_2】 / Pa【CO_2】 / 比例制御 / フィードバック |
研究概要 |
報告者らは、人工呼吸時に希望する換気状況を得、その維持を目的としてフィードバック系を用いた換気レベル自動制御装置(【CO_2】コントローラ)を開発した。開発機では入力信号には終末呼気炭酸ガス(ET【CO_2】)を採用し、制御方式には比例制御と積分制御の二方式がある。後者の制御系では偏差(希望するレベルと現在のET【CO_2】との差)の多寡により換気量変動速度は変動するので、【V_T】は指数関数的に推移する。従って、【V_T】のオーバーシュートは比例制御を用いた時よりも少なくなる。しかし、換気量変動速度を速めて整定時間を短くしようとすると、オーバーシュートする【V_T】は増大する。一方、報告者らは上記のように入力信号にはET【CO_2】を用いているので、肺機能が良好な場合には問題とならないが、呼吸不全例ではET【CO_2】とPa【CO_2】との間に較差があり、本機の使用は難しい。試作した【CO_2】コントローラが有する上記の問題点の解消を目的として研究を行い、以下の結果を得た。 (1)積分動作の欠点を補うために、比例動作を組み合わせた複合動作により制御することを試みたが、CPUのプログラムに問題があったためか、却って【V_T】のオーバーシュートが増大し、安定性は低下した。 (2)質量分析装置を用いて連続測定したPa【CO_2】を入力信号に採用したので、呼吸不全例においても制御が可能となった。しかし、動脈内に留置されたカテーテルより採取されたガスがサンプリングカニューレを経て質量分析装置の本体に入るが、カニューレを通過する際の粘性抵抗によって、無視し得ないtime lagを生じる。その為、Pa【CO_2】は連続して得られるものの、入力される値は常に数分前のものとなる。従って、急激な変動が生じた際には対応が遅れるという新たな問題が生じた。
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