研究課題/領域番号 |
61870066
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長谷川 利典 大阪大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90144469)
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研究分担者 |
杉山 暁 古野電気, 常務取締役
大村 皓一 大阪学院大学, 教授 (90029059)
千葉 喜英 国立循環器病センター, 周産期治療科, 医長
堀尾 裕幸 国立循環器病センター研究所, 研究員 (20157069)
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キーワード | 医療情報 / 実時間処理 / 新生児モニタ / エキスパートシステム |
研究概要 |
本年度はこの試験研究の最終年度に当たり、これまでの研究で明らかになった保育器システムから発生するデータの信頼性の低さをふまえ、これを向上させるとともに重要性が明らかとなった医療機器の内部状態のモニタも可能なように、マルチCPUを持つフロントプロセッサを利用してリアルタイムデータのパターン化を行ない、これをホストコンピュータのエキスパートシステムに転送してリアルタイムで異常を早期に検出するシステムを試作した(発表予定)。 現在使用されている医療機器は医師等が予め決められた方法で種々の条件を設定し、コントロールすることを前提として設計されている。しかし、実際の臨床現場ではその前提が保証されない場合も考えられ、その時には装置の内部状態を把握することは、システム全体の信頼度の向上に不可欠である。エキスパートシステムが医療機器の内部状態を把握することにより、医療従事者による機器の設定条件のミスを回避させることが可能となる。また、この条件を満たす監視装置や制御機器が一般化することにより、各装置からの出力データの信頼性も改善されると考えられる(投稿中)。 ここで開発したフロントプロセッサは医療機器の内部状態を把握するとともに出力されるデータをパターン化してデータのたれ流しを防ぎ、必要なデータを必要な時だけに出力するインテリジェント機器のプロトタイプと位置づけることができよう。このフロントプロセッサのデータ処理の実行を検証して最適な処理パラメータを求めるシステムの開発を行ない、ホストのエキスパートシステムからフロントプロセッサの処理パラメータを設定するルールの開発を終了した。今後、これまでに開発した医師の判断ルールを一体化してリアルタイムで駆動するエキスパートシステムの評価を行なう必要が残されている。
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