研究概要 |
予備実験により確認したBacteroides gngivalis由来のユラゲナーゼ活性を阻害する土壌菌4株(Streptomyces Str.No.58,65,75,77,サンスターK.Kより提供)について、抽出精製法の確立のため予備抽出試験を行った。コラゲナーゼ活性測定の基質としてFITC標識コラーゲンが使用しうるかどうかの検討を行ったが、データのバラツキが大きく、現時点では【^(14)C】-アセチル化コラーゲンの方が優れているため、これを基質として用いた。Streptomycesを"A"-mediun(1%Glucose,1%Starch,0.75%Polypeptone,0.75%Meatextract,0.3%NaCl,0.1%Mg【SO_4】・7【H_2】O,pH7.4)で培養し遠心分離した上清について、種々の抽出条件を検討した。その結果、活性阻害物質は、100%,5minの加熱に比較的安定で70%以上の活性を維持した。又、本物質は透析用外液に存在し、PH変化に対しても安定で、特に酸性域で安定であった。水に可溶性で、有機溶媒については、n-butanolに可溶性、butyl-acetateに難溶であることが分かった。また、Amberlite XAD-4,Dowex X 50 resinに吸着し、DEAE-Sephadex25やDowex1に対しては吸着力が弱い。Silica gelによるTLC(Butylacetate:Butanol:Aceicacid:【H_2】O=6:4:1:1)によって数個(2〜5個)の活性Spotを認めた。以上の結果から、抽出精製方法を確立し、現在抽出精製を進めている。最終的にはHPLCによる逆相クロマトグラフィーを行う予定である。FITC標識によるコラーゲンがコラゲナーゼ活性の測定に使用可能かどうかの検討に時間を費やし、研究がやゝ遅れているが、抽出精製方法がほぼ確立したので、現在、本物質の構造解析を行っており、今後は臨床応用の可能性について研究を進める予定である。
|