研究分担者 |
都賀谷 紀宏 京都大学, 医用高分子研究センター, 助手 (50127106)
堤 定美 京都大学, 医用高分子研究センター, 助手 (00028739)
谷 嘉明 京都大学, 医用高分子研究センター, 助教授 (90026881)
荒川 正文 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (20027030)
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研究概要 |
金属として純Tiを用い、本年度の研究諸項目に対する実績を以下に示す。 1.鋳造体の寸法補償は既に開発済のZ1粉末を耐火骨材粉に適量混合し、その酸化膨張量により調節する方法を併用し、新たにZrSi【O_4】砂を骨材に、結合材にエチルシリケートを用い、寒天印象に於ても操作性や経済性に優れる新鋳型材を今回開発した。また上述の酸化膨張機構は、球形の金属及び骨材粒子から成るモデル系を用い、粒径比,配合率,充填形式を変化させて電算機模擬実験と実測結果との対比から検討する手法を概収確立するに至った。 2.セラミックコーティング法で寸法適合性、表面性状、機械的特性に優れる歯冠修復物鋳造体を得る技術として、Zr【O_2】粉を骨材とし酢酸系ジルコニアゾルを結合材とする手法を確立し、実用に適した操作条件を決定した。 3.鋳造体内部の欠陥の発生と鋳造条件との関連性については、既存のArアーク式鋳造機を用い、鋳型材の通気率が鋳造欠陥の発生に極めて重要な要因であることをつきとめた。結果的には、純Tiの鋳造をArアーク式吸引加工鋳造機で実施する場合、通気性の高い鋳型材の使用や鋳型の通気性を助長する様な鋳造条件をできるだけ回避することにより欠陥の少ない鋳造体を得られることが判った。 4.熔融金属と反応しにくい安定なルツボ素材の探索は、十分な成果は出ていないが、予備実験の結果、純Tiに対する高温濡水性の低い素材として【Y_2】【O_3】,CaO,Zr【O_2】,【Al_2】【O_3】他を今後の検討対象材料としてゆくことを決定した。 5.鋳造補綴物(純Ti)の臨床使用の可能性の検討は、数年前からクラウン等を用いた臨床試験が今も継続中で、口腔内での変色、摩耗、生体親和性は、現在約4カ年経過後も顕著なる変化は認められておらず、本研究で得られる純Tiの歯冠修復物は安定かつ生体に適した鋳造体であるという好結果が得られている。実績報告は次頁にまとめた。
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