研究課題/領域番号 |
61870091
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
堀越 勇 富山医薬大, 医学部, 教授 (70019123)
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研究分担者 |
足立 伊左雄 富山医薬大, 附属病院・薬剤部, 助手 (30151070)
上野 雅晴 富山医薬大, 附属病院・薬剤部, 助教授 (40080197)
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キーワード | リポゾーム / 温度感受性リポゾーム / 線溶酵素 / ウロキナーゼ / 相転移温度 / 人工血栓 / 界面活性剤除去法 / REV |
研究概要 |
今年は初年度であり、先ず基礎条件の確立を目的として以下の研究を行った。(1)温度感受性リポソームの調製:リポソームの調製はREV法および界面活性剤除去法により行った。構成脂質は、42℃に相転移温度を有するジパルミトイルホスファチジルユリンを採用した。低分子薬物のモデルとして選んだカルセインの透過は、いずれのリポソームの場合も、37℃に比べて42℃では数十倍程度高くなり、温度感受性リポソームの条件を満たした。生体内半減期は、リポソームの粒子径に依存し、界面活性剤除去リポソーム(100nm)ではREVリポソーム(1μm)に比べて2倍程度長いことから、これを考慮すると界面活性剤除去リポソームがより有効性が高いと結論される。一方高分子薬物であるウロキナーゼの透過は、界面活性剤除去リポソームでは、37℃と42℃でわずか2〜3倍程度の差が認められたにすぎなかった。REVリポソームでは、低分子薬物の場合と同様、42℃で37℃の透過の数十倍の増加を認めた。この違いは、界面活性剤除去により調整されるリポソームはREVリポソームに比べリジッドであり、ゲル-液晶転移の際、低分子は漏出させるものの高分子を漏出させる程の膜のみだれは生じていないことによると考えられる。従って高分子薬物を対象とする場合は、血中半減期を犠牲にしてもREV法がより有効であると結論される。(2)ウロキナーゼ活性の安定性:リポソーム内、アルブミン存在下で、100unit/mlの低濃度ウロキナーゼは、30分程度の半減期であったが10000unit/mlの高濃度では2〜3時間で実用上活性低下は認められず、我々の研究対象として十分耐え得るものであることが確認された。(3)血栓病態モデルの作成:ウサギ足の動脈に人工血栓をつくり、血流および血圧測定により、血栓溶解過程を追跡する方法を確立した。
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