研究分担者 |
篠倉 毅一郎 日本赤外線工業株式会社, 研究員
王 福喜 日本赤外線工業株式会社, 研究員
杉山 征司 日本赤外線工業株式会社, 開発部長
内藤 克輔 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (60115251)
三崎 俊光 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50020003)
SUGIYAMA Seiji Nippon Infrared Ind., Co., Ltd., Researcher of Laser Developing Department (50166126)
OHO Fukui Laser Developing Department Nippon Infrared Ind., Co., Ltd., Researcher of Laser
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研究概要 |
1.マルチモードの金蒸気レーザー(AU10Oxford Lasers)はビーム径44mm, ビーム開口角3mradと大きいので, 集光レンズを用いた時のスポット径は一般に用いられるファイバーのコア径400μmより大きくなり, 光の透過率が著しく低下する. 特に高出力時にはファイバー端面部で高温となり, そのためコア径は600μmは最低限必要と考えられた. 共振器ミラーがステーブル型の場合にはなお透過率は約25%と低い値を示した. レーザー光の各成分の光軸をそろえるため, ミラーをアンステーブル型とした場合には, φ50mm, 両凸FL86mm(BK-7)のレンズを用いて集光すると透過率は約75%に上昇し, 臨床的に満足すべきものと考えられた. またファイバー先端出力を調節するため最も簡便なアイリスユニットを集光レンズの前におき, レーザービームを絞ることにより検討したが, 出射角の低下はあるものの臨床的には特に問題は生じなかった. 一方, 金蒸気レーザーの発振トラブルを防止するにはプラズマチューブ内ヘリウムガス圧を8mBar以下におさえることが最も重要で, 使用前ガス圧を5mBarに再調節しておくことが望ましい. 2.臨床上レーザー照射野は治療対象により変化するので, その目的に沿ってファイバー先端の加工を必要とする. Carity sphere diffuser fiber, 1.0Cylinder diffuser fiber, およびLarge spot submergible microlens(出射角約600mrad)につき検討したが, いずれも平均出力500mW以上になると先端加工部の過熱のため損傷が大きく, 加工技術に一段の研究が必要であった. そのため3%Intraliposの均等な光散乱効果を利用した膀胱壁全照射用内視鏡を試作し, 家兎膀胱腫瘍に用い光散乱は均等で光力学的治療効果も認められた. 臨床応用の可能性は極めて高いものと考えられた.
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