研究課題
6月初Iグループを除く装置開発担当者全員の会合を開き、回折計の仕様の基本方針を決定した。その後IIグループが中心となって、回折計の細部設計の打合せ会を3回開き、9月末にゴニオメータ本体のハードの設計を終了した。ソフトの製作と付属品の設計に入る10月初、全員による検討会を開き、付属品設計の見直しを行うとともに、性能検討とソフト開発の分担を決定した。12月初Aグループによりモノクロメータ用結晶の性能検査を行い2月初試作ゴニオメータの立上げと性能検査を行った。ゴニオメータの性能検査の結果、操作性が良く、精度の高いゴニオメータを作るという最大の目標は達成され、将来の展望の明るい装置であった。モノクロメータ用結晶からの出射光の位置が波長により約0.2mm移動することは予想外であったが、調整可能な範囲内であった。設計の細部検討などにより、当初の計画を変更した主な点は次の通りである。1.測定精度向上のために機械強度の増大をはかったため、重量が約2.5トンとなり、架台上にゴニオメータ本体の微動装置を取付け、さらに装置全体を手押のフォークリストにより運搬することとした。2.モノクロメータの調整は予定を変更し、当初から放射光を用いた。3.試料から蛍光X線を除去し、また角度分解能を向上させるため、遠隔調整可能なカウンタモノクロメータを作製した。4.放射光による測定のマシンタイムが不足したため、ソフトの開発が遅れ、測定精度の検討、回折線プロファイルの検討が不可能であった。62年度は、ソフトを整備し、測定精度の検討、プロファイルの解析、高圧測定、カウンタモノクロメータを用いた測定を実施し、放射光によるX線粉末回折の共同利用実験にも供し得るよう、性能の向上とハード及びソフトの整備を行う予定である。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)