研究課題/領域番号 |
61880013
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
皆川 基 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10046899)
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研究分担者 |
大矢 勝 賢明女子学院短期大学, 講師 (70169077)
川瀬 徳三 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (60152956)
佐藤 昌子 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (80047232)
藤井 富美子 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (40047056)
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キーワード | 泡沫配合染色装置 / 排液現象 / 染色性 / ブロッキング現象 / プラトー境界 / 泡接触角測定装置 / 泡膜物性 / 泡膜動的表面張力測定装置 / 泡膜2軸近伸装置 |
研究概要 |
昭和63年度は本試験研究の最終年度にあたるため昭和61年度、昭和62年度の研究成果をもとに泡沫状態で混合する泡沫配合染色装置(2種のバルク洗液をそれぞれ独立させ泡沫状態で配合しながら染色する装置)の完成をめざし、特に泡沫染色で問題となる泡膜の排液現象をおさえる目的で染色槽に配置する中筒および内壁の効果や配合染色における染色性などを中心に検討した。 泡沫配合染色においては染料ー界面活性剤間の相互作用の相違により疎水性の大きい染料の方が疎水性の小さい染料に比し、基質(ナイロン)への吸着が低下することが認められ、また基質に対する親和力の大きい染料の吸着がより低下するため泡沫染色では液浸型の染色に比し、ブロッキング現象が抑制される。ブロッキング現象の抑制効果は界面活性剤の種類およびその濃度にも依存し、親水性の大きい界面活性剤ほど、またその濃度が大きいほど抑制効果が大きくなることが認められる。 また泡沫染色にみられる泡沫の基質に対する動的なぬれ現象を解明するために試作した泡接触角測定装置を用い、ポリエステルおよびナイロンフィルムなどの平面基質上に半球状液体膜を形成させ、泡膜と基質間につくられるプラトー境界の形状すなわち気体/基質/プラトー境界3相界線につくられる接触角の測定を行った。泡接触角を測定するための装置は平面基質上に形成させる半球状泡膜のプラトー境界を真横から直接観察するように設計した。泡接触角はプラトー境界の外側(前進接触角に相当)のみで泡の内側(後退接触角に相当)が直接測定できないので、半球状泡膜内部のガスの送気および排気による体積変化によりプラトー境界を任意に移動させることができるように装置を改良した。また試作した泡膜動的表面張力装置を用い、非イオン界面活性剤などの起泡剤存在下における気泡膜表面への染料の吸着を動的立場から検討した。
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