研究課題/領域番号 |
61880020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
和田 一洋 京大, 工学部, 助手 (50025996)
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研究分担者 |
和田 健二 科学技術庁, 無機材質研究所, 主任研究官
吉野 隆子 東京都立大学, 工学部, 助手 (70087295)
馬場 宣良 東京都立大学, 工学部, 教授 (40087292)
高橋 修 京都大学, 工学部, 助手 (40127098)
薮下 信 京都大学, 工学部, 助教授 (60025921)
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キーワード | 4重極質量分析計 / 同位体比連続測定 / 陽極酸化多孔質アルミナ膜 / CVD法 / ゾルゲル法 / 分光特性 |
研究概要 |
1.同位体比を測定する質量分析計には大別して4重極型と磁場偏向型の2つの方式があり、前者は低廉であるが2種の同位体量を同時に測定出来ないのに対し、後者は2種の同位体量を同時に測定することが出来るが非常に高価である。多くのレーザー同位体分離研究はパルス化されたレーザー光を用いて行われるため、同位体比の変化を厳密に測定するには、2つの同位体の存在量が同時に連続して測定出来ることが必要である。このような目的を比較的低価格で達成するために、2本の4重極型質量分析管を1つの分析室に組み込む方式で同位体比連続測定装置を開発した。試験の結果、所期の目的が達成されることが確認された。 2.膜を用いるレーザー同位体分離用の分離膜としては、(1)膜がレーザー光を吸収しないこと、(2)膜の細孔の寸法・形状が分子直径の尺度でそろっていることの2点が少なくとも必要である。陽極酸化法で作られた多孔質アルミナ膜の細孔は直管状で孔密度が高く、かつ孔径が10nmと小さいことで知られている。同位体分離用の膜としては、この孔径を1桁下げることが要求される。電解液や電解電圧を調整することでこの目的に挑戦した結果得られた試作品は、膜強度は不足しているが、波長400〜2700nmの範囲で非常に透過度が小さいことが判った。CVD法により孔径を小さくする試みは装置が完成し、予備実験の結果薄膜製作法の基本技術の確立及び製作条件に関する知見が得られた。アルミナ膜の内径を充填焼成法で小さくする研究については種々の反応を調査検討した結果、ゾルゲル法を応用する方針が固った。 3.分子直径程度の細孔孔径の測定と気体透過度の測定については基本技術が確立された。
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