研究課題/領域番号 |
61880022
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
水野 彰 豊橋技科大, 工学部, 講師 (20144199)
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研究分担者 |
長谷川 勝二 日本分光工業株式会社, 第二事業部
眞砂 央 日本分光工業株式会, 社第二事業部
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キーワード | セルソータ / フローサイトメトリ / 細胞選別装置 / 細胞融合 / セルソーティング;プロトプラスト / 静電選別 / 誘導荷電 |
研究概要 |
上向きノズルを用いた細胞選別装置開発のため以下の要素研究を行なった。 1.上向きノズルによる液滴形成条件の把握 超音波振動子を取付けた液滴形成用ノズルから上向きに液流を吹上げ、均一粒径の液滴が安定に形成される条件を高速ストロボ装置を用いて調べた。ノズル内径75μm(動物細胞用)および150μm(植物細胞、特にプロトプラストおよびその融合細胞用)の2種類について無荷電時の液滴形成試験を行なった。ノズル出口の液流速と振動子周波数とが液滴の安定形成に大きく影響し、液流速10m/sにおいて75μm径のノズルでは周波数25〜45KHz、150μmでは、12〜20KHzの範囲で液滴が形成されることが判明した。 2.レーザによる細胞識別能力向上のためのノズル形状の調査 偏平なヒツジ赤血球細胞を用い、その向きを揃えレーザ散乱光強度の再現性を向上し得るかどうか試験を行なった。先端形状の異なる6種類の細胞液用ノズルを比較した所、従来型ノズル形状ではサイトグラム領域A、B上に3:1の割合でヒストグラムが分布しているのに対し、8:1程度まで改善できる(領域AまたはBのみに分布することが望ましい)ことが判明した。 3.プロトタイプ細胞選別装置の試作 上向きノズル上に高さ1.5mのクリーンチャンバを設置し、液滴荷電部、偏向用電極および液滴捕集用電極を取付けたプロトタイプ装置を試作し、その特性を調べた。液滴は0.5m/s以下の速度で捕集できること、液滴が安定に形成される時には液滴軌道が安定でフィードバック制御による微調整は不要であり、液滴形成が不安定となると軌道制御が不可能なほど乱れることが判明した。荷電時の液滴形成条件は電気力の影響を受けることが観測されたので、荷電時に液滴が安定に形成できる条件を把握することが極めて重要であることが判明した。
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