研究課題/領域番号 |
61880025
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
飯塚 哲太郎 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任研究員 (30029475)
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研究分担者 |
城 宣嗣 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 研究員 (70183051)
高橋 勝緒 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 副主任研究員 (30087580)
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キーワード | 動的構造解析 / EXAFS / XANES / ヘム蛋白質 / ペルオキシダーゼ / ミオグロビン / チトクロムP450 / フラッシュフォトリシス |
研究概要 |
63年度は、本試験研究の最終年度に当るので、前年度までに試作した装置による各種試料の測定・解析に重点を置くと共に、3年間にわたる研究の取りまとめを行なった。 1.X線吸収スペクトルにおいて、EXAFS(Kー吸収端から高エネルギー側500eVの範囲)のみならず、XANES(Kー吸収端近傍50eVにわたる微細構造)の領域も局所構造解析に重要と考え、今年度は各試料のXANES測定をも重視した。 2.西洋ワサビペルオキシダーゼの不安定中間体(コンパウンドIIとIII)を急速凍結により捕捉しEXAFS/XANESスペクトルを精密に測定した。EXAFSからヘム鉄と第6配位子(O原子)との距離を、XANESから配位子の結合角度を求めた。 3.XANES領域において、Kー吸収端直前に観測される1s→3d禁制遷移ピークならびにKー吸収端を構成する二つのピーク(CとD)に着目し酸化型高スピン状態のヘム蛋白質を詳細に比較した。その結果両indicatorともにヘム鉄と第6配位子との距離を反映して変化する事を発見した。 4.(ヘム蛋白質において)配位子の結合・解離を制御するヘム鉄近傍のアミノ酸残基(ヒスチジン)を化学修飾したミオグロビンを調製し、ESR、フラッシュフォトリシス、X線結晶構造解析法によりその構造と反応性を検討し、EXAFS/XANESから得た知見と比較した。 5.緑膿菌から大量に抽出・精製したチトクロムP450(基質:カンファー)の一酸化炭素複合体、酸素複合体、青酸イオン複合体にEXAFS/XANES法を適用し、ヘム鉄近傍の詳細な局所構造解析を実行した。
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