研究概要 |
1.AFPおよびCEAに対するポリクローナルおよびモノクローナル精製抗体とアドリアマイシンとの複合体を中間支持体として血清アルブミンを用いて作製する方法が確立した. in vivo,in vitroにおける標的腫瘍に対する選択的腫瘍活性を示した. 2.新規の腫瘍マーカーを開発した. ラット腹水肝癌AH66Rの膜局在性の分子量約9万の糖蛋白質で正常組織あるいは他の癌培養株では発現されていない. この蛋白質を認識するモノクローナル抗体(IgG2a)を選別した. 一方アドリアマイシンを認識するモノクローナル抗体(IgG2a)を得てこの両抗体のHybrid抗体(bispecijic抗体)をHAT,ウアバイン二重選別法で得た. 標的腫瘍に対するin vitro,in vivoの実験亭その顕著な制癌活性が立証された. 3.クロノタイプを腫瘍特異抗原とみなし八モノクローナル抗体を作製した. V_<β8>を認識するモノクローナル抗体を得, Tリンパ腫の治療に関する基礎的データが得られた. 4.トランスフェリンリセプターの測定は早期癌には利用出来ないが癌の進行度と高い相関性を有しTumor Badenを反映していた. トランスフェリンとネオカルチノスタチンとの複合体を作製しその標的腫瘍に対する選択毒性が観察された. 5.癌遺伝子産物であるRas,mycのそれぞれP21,P62に対する抗体によるイメージング, 抗体による標的細胞への選択的効果が検討された. 6.消化器関連抗原(300K)を認識するモノクローナル抗体MUSEー11を発見した. 膵癌を54%検出可能でありこれはCAー19ー9と同程度であるが慢性膵炎では9.4%とCAー19ー9の20%より1/2以下であった. 7.腺癌を認識するモノクローナル抗体が得られた. 認識抗原は70K(非還元で200K)糖14%蛋白86%の組成であった. 7.CEAの類縁抗原であるNCAの一次構造が解明された. CEAとの高い相同性が詳細に解析された. NCAの分子種は一見多様に見えるが基本的には癌細胞は3.5万のペプチドを産生し顆粒球では4.1万と9.9万のペプチドを産生することが明らかとなった.
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