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1987 年度 実績報告書

ヒトインターフェロンが誘導するエラーフリー型DNA修復機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 62015012
研究機関千葉大学

研究代表者

鈴木 信夫  千葉大学, 医学部, 助教授 (90111426)

研究分担者 稲葉 憲之  千葉大学, 医学部, 講師 (70114238)
関屋 宗英  千葉大学, 医学部, 助教授 (00092065)
園田 智子  千葉大学, 医学部, 技官 (20143307)
キーワードインターフェロン / RSa細胞 / XP細胞 / CS細胞 / DNA修復機構 / プラスミノゲンアクチベーター / プロテアーゼ
研究概要

ヒトの血中にはわずかな単位であるがインターフェロンが存在する. インターフェロンはウィルスや細胞の増殖を抑制することが知られているタンパク質であるが, 健常人で通常この血中のインターフェロンが一体何をしているのか不明である. 我々は, DNA修復機構とその関連機能に着目し, インターフェロンの役割を検討している. 本年度は, DNA修復誘導時に誘発されるプロテアーゼとインターフェロンとの関連を, ヒト変換細胞RSa,Xeroderma pigmentosum(XP)およびCockayne syndrome(CS)患者由来線維芽細胞を使用し, 明らかにした. いずれの細胞でも, 培養液中にヒトインターフェロン(α,βあるいはγ)を添加し, その後DNA傷害因子(紫外線やニトロソグアニジン)で処理すると, DNA修復レベルが上昇し, 生存率も増大した. このインターフェロン効果に連動し, DNA傷害因子処理直後(5分以内)にプラスミノゲンアクチベーター様プロテアーゼ活性の増大が認められた. この誘発活性はインターフェロンの種類に関係なく見られ, 上認3種細胞いずれでも認められた. なお, モックインターフェロン処理の際は誘発活性は見られなかった. 以上のインターフェロン効果は, DNA傷害因子処理直後にタンパク質の合成阻害剤であるサイクロヘキシイミド処理すると消失した. したがって, ヒトインターフェロンはある種のタンパク合成を介しプラスミノゲンアクチベーター様プロテアーゼを活性化することにより, ヒト細胞のDNA修復および修復関連機能の発現を誘導することが示唆された. 大腸菌の修復機能が開始するにはrecAタンパクが有するプロテアーゼの活性化が必須であることを考えると, インターフェロンを利用することにより殆んど不明であるヒト細胞のDNA修復機構の解明に突破口が開けたと言えよう.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: Mutation Res.178. 135-141 (1987)

  • [文献書誌] Sugita,K.,Suzuki,N.,Kojima,T.,Tanabe,Y.,Nakajima,N.,Hayashi,A.and Arima,N.: Pediatric Res.21. 34-37 (1987)

  • [文献書誌] Sugita,K.,Suzuki,N.,and Nakajima,H.: Mutation Res.192. 271-276 (1987)

  • [文献書誌] Miki,T.,Sato,T.,Nakajima,H.,Koyama,S.,Toyama,Y.,Fuse,A.,Suzuki,N.,Kanno,H.,Sakamaki,T.and Kato,I.: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 98. 144-152 (1987)

  • [文献書誌] Suzuki,N.: 千葉医学. 63. 233-237 (1987)

  • [文献書誌] Suzuki,N.,Suzuki,H.,Kojima,T.,Sugita,K.,Takakubo,Y.,and Okamoto,S.: Mutation Res.(1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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