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1987 年度 実績報告書

マウステラトカルシノーマ細胞における腫瘍性増殖と細胞分化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 62015048
研究機関大阪大学

研究代表者

西宗 義武  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80029793)

キーワードテラトオルシノーマ / 細胞分化 / 細胞周期 / 温度感受性変異株
研究概要

幹細胞の分化決定への制御機構を細胞遺伝学的に解明するために, マウステラトカルシノーマ細胞株F9より, 細胞増殖に関する温度感受性変異株を分離した. 従来よりF9幹細胞の自己増殖と細胞分化は, 相反する関係を示す結果が得られており, 我々が分離した数十株の温度感受性変異株の中にも, 許容温度(32.5℃)では未分化状態を保ち, 非許容温度(39℃)では分化形質の発現が認められるものが存在した. 即ち, 39℃で培養する事により, 細胞形態が分化型に変化し, プラスミノーゲン・アクチベーターの産製, SSEAー1抗原の消失, 基質非依存性増殖能の消失等分化形質の変化が認められた. 又, 分化の指標となるラミニンやサイトケラチンのメツセンジャーRNAの増加も認められ, 内胚葉様細胞に向う分化が確認された. この時, 細胞増殖と密接な関係なもつと考えられるがん遺伝子のcーmyc及びkーrasのメッセンジャーRNA量は, 細胞分化と共に減少した.
以上のように, 得られた温度感受性童異株は, 許容温度では未分化状態で自己増殖を行い, 非許容温度で培養する事により, 内胚葉様細胞に分化が誘導される事が分ったが, この時, 細胞増殖はS期で阻害されている事が明らかとなった. 従って, これらの温度感受性変異は, 幹細胞の増殖から分化への切り換えの制御機構に関係した遺伝子に生じたものであり, しかもDNA合成期の進行とも密接に関連したものである事が示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Nishimune,Y.Nishina,T.Sumi M.Nakamura,M.Matsushiro and M.Sakuta: Developmental Biology.

  • [文献書誌] 西宗義武 (野口武彦・村松喬編): "マウスのテラトーマ" 理工学社, 745 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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