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1987 年度 実績報告書

培養肝細胞を用いた増殖と分化の制御機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62015054
研究機関徳島大学

研究代表者

市原 明  徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (40035374)

研究分担者 冨田 優美子  徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (00089913)
田中 啓二  徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10108871)
野田 千征子  徳島大学, 酵素科学研究センター, 講師 (40035506)
中村 敏一  徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (00049397)
キーワード初代培養肝細胞 / 増殖因子 / 増殖抑制因子 / 分化 / 細胞増殖調節 / 血小板
研究概要

1.肝細胞増殖因子(HGF)の純化ーーーラット血小板分泌液からモノSカラム,ヘパリン・セファロースカラム HPLCを用いて分子量10万の蛋白を純化した. この蛋白により初代培養肝細胞増殖が10^<-9>gオーダーで促進した. この蛋白(HGF)は還元状態で分子量3万4千と6万9千に分離するヘテロダイマーとして存在する. この様な還元状態 熱 酸処理で失活する. この化学的性質及び線維芽細胞には増殖促進作用のないことからPDGFを含む既知の増殖因子とは明らかに異っている. 現在その構造決定を遺伝子操作により行っている.
2.血小板由来増殖抑制因子(PDGI)とその結合蛋白(MP)の純化ーーー血小板にはHGFの作用を抑制するPDGIがあり,バイオゲルP60でα βに分けられる. このうちβ型はその分子量(2万5千),アミノ酸配列からTGFーβと同定された,一方α型は分子量はβ型に似ているがTGFーβの特異的性質であるNRK細胞のコロニー形成促進能がない. この純化も3つたので構造決定を行っている.さてこれらPDGIは血小板粗抽出液では肝細胞増殖の抑制効果を示さない. しかし抽出液を酸, 熱, 尿素処理するとPDGI活性が出現する. このことはPDGIに結合し増殖抑制活性を中和する蛋白のある事を意味する.そこでこのMPをモノーS,ーQ,セファクリルSー300カラムで精製し分子量4万6千の蛋白を得た.これは最少単位であって本来はその4倍ー6倍体としてPDGIに結合すると思はれる.これらの事実から肝再生時血小板が集合しHGE,PDGIーMP_1が分泌され,後者は更にMPが解離し,G_1期細胞を正と負の両面から増殖を調節していると考えられる.この時分化機能は相反的に調節される.
3.末熟肝細胞の自律増殖と分化ーーーー生後すぐのラット新生存肝細胞は無血清,無ホルモンで自己増殖因子を分泌し増殖する.一週間後には静止し分化しはじめる.この機能を検討中である.

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] Nakamura,T.: J.Biol.Chem.262. 727-733 (1987)

  • [文献書誌] Nakamura,T.: Exp.Cell Res.169. 1-14 (1987)

  • [文献書誌] Shimaoka,S.: Exp.Cell Res.172,. 228-242 (1987)

  • [文献書誌] Nakamura,T.: FEBS Lett.224. 311-316 (1987)

  • [文献書誌] Noda,C.: J.Biol.Chem.263. (1988)

  • [文献書誌] Noda C.: Gumma Symposia on Endocrinol.24. 89-104 (1987)

  • [文献書誌] Nakamura,T.: J.Biochem.103. (1988)

  • [文献書誌] Takai,S.: J.Biochem.(1988)

  • [文献書誌] Ichihara,A.: Proceedings of FAOB Symposium. (1988)

  • [文献書誌] Aragaki,R.: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1988)

  • [文献書誌] Kikuchi,Y.: Biochem.Biophys.Res.Commun.(1988)

  • [文献書誌] 市原明(編者,分担執筆): "機能細胞の分離と培養" 丸善, 509 (1987)

  • [文献書誌] 中村敏一: "初代培養肝細胞実験法" 学会出版センター, 287 (1987)

  • [文献書誌] Ichihara,A.: "Models and Mechanisms in Chemical Carcinogenesis" Plenum Co.N.Y., (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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