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1987 年度 実績報告書

肝細胞の増殖およびがん化における新肝細胞増殖因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 62015068
研究機関岡山大学

研究代表者

合田 栄一  岡山大学, 薬学部, 助教授 (20028814)

研究分担者 弘野 修一  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00181222)
キーワード増殖因子 / 初代培養ラット肝細胞 / 細胞増殖
研究概要

我々が初めてその存在および分子構造を明らかにしたヒト肝細胞増殖因子(human hepatocyte growth factor,hHGF)に関する今年度の研究によって, 次のような知見が得られた.
まず, ヒトの肝がん細胞や胎児肝由来細胞の増殖に及ぼすhHGFの効果を検討したところ, ラットの初代培養肝細胞の増殖に対して最大活性を示す10ng/mlの濃度で, PLC, KNおよびNuEのいずれの細胞に対しても有効性は認められなかった. また, マウスSwiss3T3細胞の増殖に対しても無効であった. 次に, hHGFの酵素免疫測定法の確立に関しては, まず抗原量が少量で行えるモノクローナル抗体を作成した. こ種のモノクローナル抗体が得られ, イムノブロッティングで解析すると, いずれも非還元hHGFのSDSー電気泳動ゲル上の2本の主要バンド(分子量7.9万と8.6万)とのみ反応陽性であった. 還元hHGFの場合は, これらのモノクローナル抗体と反応するバンドは検出できなかった. hHGFのポリクローナル抗体については, 十分量の劇症肝災患者血漿の入手が予想以上に困難で, ようやく確保できたところである. 今後これらの血漿からhHGFを大量に精製してポリクローナル抗体を作成する計画である. さらに, これらの抗体を用いてhHGFの酵素免疫測定法を確立し, 肝がんや肝硬変患者等の血中hHGFレベルを測定し, 病態との関連性を追求していく計画である. 次にhHGFと他の既知増殖因子との異同を初代培養ラット肝細胞を用いて検討した. 種々の既知増殖因子のうちで, 上記肝細胞の増殖促進作用を示すものは, 上皮増殖因子(EGF)とトランスフォーミング増殖因子α(TGFーα)のみであった. hHGFは, これら二つの増殖因子とは相加的または相乗的に作用するばかりでなく, 分子量, 最大活性を示すモル濃度でも大きく異なっており, 新しい増殖因子と思われる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Eiichi Gohda: Journal of Clinical Investigation. 81. 414-419 (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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