分子生物学的・免疫学的方法を用いた肝および大腸前癌マーカーの解析と新しい診断法

1988 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 62015073
• 研究機関: 札幌医科大学
• 研究代表者: 今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60117603)
• 研究分担者: 杉山 敏郎 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00196768) ; 遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40191928) ; 日野田 裕治 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10165128) ; 谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
• キーワード: 前癌病変マーカー / 癌遺伝子 / DNAプローブ / モノクローナル抗体

研究概要

肝硬変, 慢性肝炎, 大腸腺腫性ポリープを出発材料としてAFPならびにCEA遺伝子プローブ, 各種オンコジーンプローブ等を用いて, サザン・ブロットおよびノーザン・ブロット法ならびにin situ hybridization法によりDNAおよびRNAレベルでの変異ならびに増幅の有無およびその頻度を検索した. その結果, 一部の肝硬変組織においてAFP遺伝子の増幅を示す所見, ならびに大腸腺腫性ポリープの一部においてCEA遺伝子の増幅を示す所見が得られ, 前癌病変の観点から注目された. さらに各種モノクローナル抗体を用いた検索により, 肝および大腸前癌マーカーが次第に明確になってきたが, 特にras癌遺伝子産物p21に対するモノクローナル抗体による免疫組織学的検索で大腸ポリープ症の約60%にp21の増量が認められ注目された. 同様の成績はウエスタンブロット法ならびに酵素抗体法によっても確認された.

研究成果

• [文献書誌] Hinoda,Y;Imai,K;Ban,T;Endo,T;Yachi,A: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 78. 607-613 (1987)
• [文献書誌] Adachi,M;Sekine,T;Imai,K;Yachi,A;Sato,S: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 78. 1370-1377 (1987)
• [文献書誌] Endo,T;Ikuta,S;Imai,K;Yachi,A: Jpn.J.Clin.Oncol.(1988)
• [文献書誌] Fukuda,Y;Imai,K;Yachi,A;et al.: Cancer Immunol.Immunother.(1988)
• [文献書誌] Yachi,A;Imai,K;Ban,T;Endo,T;Sugiyama,T;Hinoda,Y: J.Tumor Marker Oncol.2. 181-186 (1988)
• [文献書誌] Hinoda,Y;Imai,K;Ban,T;Endo,T;Yachi,A: Int.J.Cancer. (1988)
• [文献書誌] Yachi,A;Imai,K;Ban,T;Hinoda,Y;Wada,T: "Current Status of Cancer Research in Asia,the Middle East and Other Countries" The University of Nagoya Press,Nagoya, 285 (1987)