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1987 年度 実績報告書

含硫アミノ酸, チオプロリン及びメチルチオプロリンの発がん抑制における意義の検討

研究課題

研究課題/領域番号 62015098
研究機関国立がんセンター

研究代表者

津田 充宥  国立がんセンター研究所, 生化学部, 室長 (00124420)

研究分担者 大垣 比呂子  国立がんセンター研究所, 生化学部, 研究員 (00150201)
垣添 忠生  国立がんセンター病院, 部長
キーワード含硫アミノ酸 / チオプロリン / 亜硝酸補捉剤 / 緑黄色野菜 / 富硝酸野菜 / 発がん抑制 / ヒト体内ニトロソ化
研究概要

含硫アミノ酸, チオプロリンの発がん抑制における役割を評価する目的で以下の研究を実施した.
1.ボランティア実験によるチオプロリンのヒト体内での亜硝酸補捉能評価
硝酸塩340mg(4mmol)及びチオプロリン10mg(0.076mmol)摂取後の12時間尿中へのニトロソチオプロリン排泄量は165.1±137.6ug(n=3)であった. これは, 摂取したチオプロリンの0.6〜3.2%平均1.7%に相当した. これは, プロリンに関して報告されている体内ニトロソ化率(0.002%)の約1000倍と評価した. この結果は, チオプロリンがヒト体内での亜硝酸補捉剤として, 極めて秀れている事を意味するものであり, 発がん性ニトロソ化合物の生成抑制に実際的に機能しているものと結論した.
2.野菜食品中のチオプロリンの検出及び定量
緑黄色野菜7種を含む日常野菜16種のチオプロリン含量を調べた. 生野菜中には通常, チオプロリンは検出されないか, 0.2ppm以下であった. 一方, 5〜8分間, 煮沸調理後の野菜ホモジェネート中には, 共通して, チオプロリンの生成増加が観測された. これは, 野菜中のホルムアルデヒドとシスティンが反応して生成したものである. 一般に, 緑黄色野菜(ブロッコリー, アスパラガス, 芽キャベツ, ニラ等)でチオプロリンの生成量が高く, 最高, ブロッコリーの1.2ppmであった. これに反して, ダイコン, 白菜, ホウレン草等, 硝酸含量の高い野菜では, チオプロリン生成量が低かった. 硝酸塩含量の低い緑黄色野菜でチオプロリン生成量が高いという結果は, 緑黄色野菜に関するがん予防的効果の疫学的知見との比較において, 興味がもたれる. 3.ヒト尿中にチオプロリンが200〜300nmol/dayで排泄されている事を明らかにした. ヒト尿中におけるチオプロリンの由来に関しては, 現在のところ不明である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tsuda,M.,Nagai,A.,Suzuki,H.,Hayashi,T.,Ikeda,M.,Kuratsune,M.,Sato,S.and Sugimura,T.: IARC Scientific Publications. 84. 446-450 (1987)

  • [文献書誌] Tsuda,M.,Frank,N.,Sato,S.and Sugimura,T.: Proc.2nd Int.Conf.on the Role of Formaldehyde in Biological Systems,Kesthely,Hungary. 119-124 (1987)

  • [文献書誌] 長田充宥 倉島由紀子 佐藤茂秋 杉村隆: 含硫アミノ酸. 10. (1988)

  • [文献書誌] Tahira,T.,Ohgaki,H.,Wakabayashi,K.,Nagao,M.and Sugimura,T.: Fd.Chem.Toxic.(1988)

  • [文献書誌] Tsuda,M.,Frank,N.,Kurashima,Y.,Sato,S.and Sugimura,T.: 日本癌学会総会記事 第46回(東京). 25- (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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