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1987 年度 実績報告書

がん細胞における細胞骨格の異常

研究課題

研究課題/領域番号 62015103
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

矢原 一郎  (財)東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 部長 (60109957)

研究分担者 米原 美奈子  (財)東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (10124471)
松本 清治  (財)東京都臨床医学総合研究所, 細胞生物学研究部門, 研究員 (40190532)
キーワードアクチン / 熱ショックタンパク質 / トリ肉腫ウイルス癌遺伝子 / ステロイドホルモン受容体 / コフィリン / ファロイディン
研究概要

チロシンキナーゼ活性を有するトリ肉腫遺伝子産物(PP60^<src>など)やステロイドホルモン受容体は熱ショックタンパク質HSP90と一過的複合体を形成する. われわれは, HSP90がアクチンと結合する(前年度までの結果)ことから, 上記複合体がアクチンと相互作用して細胞内を移動する可能性を考えた. HSP90とアクチンの相互作用はカルシウムーカルモデュリン系によって制御されていることを明らかにした. HSP90によく似たHSP100をマウスL5178Y細胞より精製し, その性質を調べたところ, このタンパク質とアクチンの結合もカルシウムーカルモデュリン系によって制御されていることを確認した. 精製したHSP100の分解ペプチドについて部分的アミノ酸配列を決定したところ, マウス小胞体タンパク質ERp99と同一のものであることが分った.
各種培養細胞を43℃で15〜30分加温すると, 細胞質のアクチン構造はほぼ完全に崩壊し, かなりの量のアクチンが核内へ移行する. さらに加温を続けると核内にアクチンロッドとよばれる特珠な構造が現れる. アクチンロッドはアクチン繊維によって構成されるにもかかわらず, 蛍光ファロイデインによって染色されない. 抗コフィリン抗体でアクチンロッド形成細胞を蛍光染色したところ, アクチンロッドがコフィリンを含むことが分った. コフィリンは21KDのアクチン結合タンパク質で平常は細胞質に均一に存在する. コフィリンとファロイディンはアクチン繊維に対し競合的に結合する. またコフィリンはトロポミオシンが結合するアクチンに結合することができない. ブタ脳よりコフィリンを精製し, その部分的アミノ酸配列を決定した. それに星きオリゴヌクレオチドプローブを合成し, ブタ脳ポリARNAライブラリーをスクリーニングし, コフィリンcDNAをクローニングした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] E.Nishida et al.: Proceedings of National Academy of Sciences U.S.A.84. 5262-5266 (1987)

  • [文献書誌] N.Yonezawa et al.: Cell Structure and Function. 12. 443-452 (1987)

  • [文献書誌] F.Matsuzaki et al.: Cell Structure and Function. 12. 317-325 (1987)

  • [文献書誌] F.Matsuzaki et al.: Journal of Biological Chemistry. 263.

  • [文献書誌] F.Matsuzaki et al.: Journal of Cell Biology.

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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