研究分担者 |
矢ヶ崎 玲 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教務補佐員
池谷 和信 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教務補佐員 (10211723)
沢田 昌人 京都大学, アフリカ地域研究せンター, 教務補佐員
菅原 和孝 北海道大学, 文学部, 助手 (80133685)
佐藤 弘明 琉球大学, 医学部, 助手 (40101472)
丹野 正 弘前大学, 人文学部, 助教授 (30092266)
市川 光雄 京都大学, アフリカ地域研究せンター, 助教授 (50115789)
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研究概要 |
本研究は, これまでのアフリカ狩猟採集民の研究の蓄積をふまえて, 狩猟採集社会研究の新たな展開を企図するものである. とくに野生動植物資源の認知や利用の分析を通して人間の生活環境としての熱帯降雨林及び乾燥サバンナのもつ可能性を検討すること, 及び地域社会の一員としての狩猟採集社会を農耕・牧畜社会との「共存のメカニズム」という視点から捉えることを目的としている. ザイール国高ザイール州のムブティ・ピグミーに関しては, これまでの調査により, 生業活動, 社会組織に関する資料はかなり整っているが, 今回の調査では新たに約300点の動植物標本を採集し, それらに対すめ認知や利用に関して詳細なブータを得ることができた. また彼らと農耕民の間の経済的な交換関係や現金経済化にともなう生業活動や社会生活の変化についても量的及び質的なデータを得ることができた. コンゴ国リクアラ州のバンベンガ・ピグミーについては, これまでその実態がよくわかっていなかったが, 今回の調査により, 彼らの生業, 動植物利用, 周辺の農耕民との経済的, 社会的関係についての詳細なデータを得ることができた. ボツワナ国のブッシュマンについては, これまでにおこなわれた調査により, 彼らの伝統的生業や社会組織についてはかなりの資料が集まっているが, 今回の調査では定住化という急速な社会変化にともなう彼らの物質文化, 社会生活の変化の過程をトレースすることができた. また, 彼らの動物や植物に関する認知についても聞き込みにより調査を通して豊富なデータを加えることができた. 今後は, これらの調査によって得られた資料の整理をおこなうとともに, 再度の現地調査によって, データの統一と深化をはかり, アフリカ狩猟採集民に関する比較研究をすすめたい.
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