研究概要 |
近年, DNAデータは増加の一途をたどり, DNAデータベースは分子生物学の研究で必要不可欠のものとなった. このような事情から, 1987年2月25日ー27日西ドイツのハイデルベルグでNIH(米国国立保健研究所)/EMBL(欧州分子生物学研究所)ワークショップ「分子生物学におけるデータベースの将来」の開かれた. この会議では, DNAデータバンク(欧州のEMBL Data Library, 米国のGenBank, 日本のDDBJ)の成功はデータバンク間の協力関係の緊密さ如何に依るとの認識に至り, この協力を推進するためワークショップは, このような国際協力を調整する目的で国際諮問委員会の設立を勧告した. 日本のこのワークショップの後直ちに国際協力に参加し現在にいたっている. 本学術調査の目的は, この勧告に従って開催される「第一回DNA配列データベースのための国際諮問委員会」に参加し, 関係者とDNAデータベース構築に関する国際協力について協議することである. また, 併せて米国におけるDNAデータバンク運営の実態, DNAデータベース利用の実態と解析ソフトウェアの開発状況を調査することである. 国際諮問委員会が, DNAデータバンク(欧州 EMBL, 米国 GenBank, 日本 DDBJ)の国際協力を調整する目的で開催された. 委員会のメンバーは, 欧州, 米国から各3名, 日本から2名である. 委員会は, データバンク担当者の活動報告を受け, データバンク間の協力(対象雑誌の分担, accession numberの共同管理, common data submission formの採用等)を大いに評価するものの, 以下の勧告を出した. 1)データバンクは最低必要なcommon data itemsに関して一致すべきである. 2)データバンクは共通のfeature tableを採用すべきである. それにあたっては, データの過大な解釈を避けることを要請する. 3)データバンクはこれまで出版された文献にあるDNAデータで未入力のものを無くすべきである. 4)データベースは他のデータベースに関する相互参照に関して案をまとめるべきである. 進展を見守るため, 委員会は毎年開催されることが要請された.
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