研究課題
国際学術研究
1.はじめに人工衛生は飛行中に宇宙線(特に電子線)にさらされてると、衛生をカバーしている熱制御高分子材料は帯電する。その結果、電荷の電位が高くなると火花放電を起こし、衛生の制御電子機器が誤動作すると報告されている。そこで本研究は地上で分子材料に電子線を照射させ、蓄積及び減衰の電荷(電子)分布を直接に測定して、電荷蓄積/減衰のモデル理解しようとするものである。2.蓄積電荷分布裁定装置の開発固体絶縁体中の蓄積する電荷分布を直接に測定できる技術を我々は持っていなかった。そこで1983年に、米国マサチューセッツ工科大学高電圧研究所(MIT HVRL)の依頼を受けて、武蔵工大で開発し1986年には電荷の分布を測定できる測定装置を完成した。測定性能は、電荷密度;10C/cm^3以上、試料厚さ;0.5mmー20mm、温料温度;20°-100℃である。このような測定装置はこれまでにはなく、全く新しく開発されたものであり、安定で再現性のあるデータが得られ、このコピーはMIT HVRLにもある。今回の国際学術研究ー大学間協力研究ーの補助金の援助により、1986ー1989年の3年間、この蓄積電荷分布測定装置を使用して、武蔵工大とMIT HVRLとの間で本研究を実施した。3.測定装置の特徴(a)高電圧パルス(300V/cm、90nsec)を電荷蓄積試料に印加して、パルス弾性波を励起される。この弾性波の伝播の時間波形が電荷の分布を示すものである。(b)電子線照射中から照射停止後にわたり蓄積電荷分布と減衰電荷分布の連続測定ができる。(c)信号波形歪を逆畳込み積分(デコンボリューション)データ処理を使用し補正している。またその結果は、CRT画面に標示できる。4.蓄積電荷(電子)分布の測定結果人工衛生の宇宙線照射による帯電現象を模凝するために、バン・デ・グラフ電子線加速器からの電子線を高分子材料(PMMA)に照射して、高分子材料に蓄積する電荷分布を測定した。さらに照射停止後の減衰する電荷分布も測定した。照射条件は次の通りである。照射電子線エネルギー:0.50、0.75、1.00、1.25Mev照射線量率:25kGy/h試料温度:27、40、60、80℃電荷の分布と経時変化ο(χ、t)のデータを得て、次の量の時間と空間分布を算出して、電荷の蓄積と減衰のモデルを討論できた。電界分布:E(χ、t)、移間度分布:μ(χ、t)、電荷トラップの深さエネルギー分布:φ(χ)、電気伝導度分布:ο(χ、t)5.まとめこれまでは絶縁材料中の電荷蓄積や減衰は、電圧/電流測定では得られず、モデル計算により推測していた。今回初めて、蓄積/減衰の電荷分布を直接に測定できるようになり、照射誘起電気伝導の量やモデルが具体的に理解できるようになった。
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