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1987 年度 実績報告書

トリチウムの体内代謝とその影響効果

研究課題

研究課題/領域番号 62050009
研究機関茨城大学

研究代表者

一政 祐輔  茨城大学, 理学部, 助教授 (30007760)

研究分担者 岡田 重文  京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70010048)
東郷 正美  東京大学, 教育学部, 教授 (70041283)
上野 陽里  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60025541)
松原 純子  東京大学, 医学部, 講師 (80010007)
石田 政弘  京都大学, 原子炉実験所, 教授 (40027397)
キーワードトリチウムガス / トリチウム水 / 排泄促進 / 食物連鎖 / 代謝 / 線量測定 / ヒトのトリチウム濃度 / 飲水
研究概要

本研究は核融合実用炉が運転される際にヒトがトリチウムの放料線によって受ける被曝線量を最小限に低減させる方法を確立することを目的とした. 成果の概要を以下に述べる.
1.トリチウムガス(HT),トリチウム水(HTD)からのトリチウム(T)の体内取り込み及びその阻止法の解明に関する研究では, (1)ラットがHTに暴露された時, 血中T濃度は暴露後2時間で最高値に達し, その後2.9日の生物学的半減期で減少するが, クリンダマイシンを投与することによってこの半減期は1.7日になることを明らかにした. (2)ラット, ヒトの糞便から分離した微生物の中からHT酸化活性を持つ菌について抗生物質に対する抗菌性を調べたところ, クリンダマイシンが強く, 他にリンコマイシン, エリスロマイシン等であることをみいだした. (3)HTOを投与したラットに断続的にリンゲル液, グルコース液を点滴してラットのT濃度の変化を調べた. リンゲル液やグルコース液の点滴は尿中のTの減少を促進し, 25日目では対照区の濃度の10%までに低下させることが出来た. 75日目の組織中T濃度及び組織結合型のT濃度も減少がみられた(一政・秋田).
2.農水畜産物の食品のTの許容濃度を試算する為の研究では(1)マウスの実験データに基づきモデル計算式を作った. これによりTによる線量の推定が可能になった. このモデルの正当性を検証するにはさらに種々のR値をもつ食品を長期間投与する研究が必要であるとの結論に達した(石田・斉藤). また尿中T濃度をTのリスク評価に於ける指標とするのは適当であることを追証し(松原), 組織結合型T濃度の指標には体毛中T濃度で推定し得ることを示した(武田). 日本人のTのリスクを評価する際には日本人のバックグラウンド値が必要になるが組織結合型Tは肝で750pCi/l,筋では600pCi/lであること(上野), 東京の飲水T濃度はほぼ0.47〜80.3pCi/lの範囲であった(東郷). 以上のように本年度の研究計画は一応達成された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.ICHIMASA: Journal of Radiation Research. 29. (1988)

  • [文献書誌] Y.ICHIMASA: International Journal of Radiation Biology.

  • [文献書誌] M.Saito: Ann.Repts.Res.Reactor.Inot.,Kyoto Univ.20. 98-136 (1987)

  • [文献書誌] M.Saito: Submitted to Health Physics. (1988)

  • [文献書誌] J.Matsubara: Journal of Radiation Research.

  • [文献書誌] H.Takeda: International Journal of Radiation Biology. 52. 957-964 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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