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1987 年度 実績報告書

核融合炉材料の使用条件下でのクリープ曲線の推定

研究課題

研究課題/領域番号 62055002
研究機関東北大学

研究代表者

及川 洪  東北大学, 工学部, 教授 (30005243)

研究分担者 丸山 公一  東北大学, 工学部, 助教授 (90108465)
キーワード核融合炉材料 / 316ステンレス鋼 / 高温クリープ / 寿命予側 / クリープ曲線 / 非弾性解析 / 弾性限
研究概要

本研究の目的は, 核融合炉材料の使用条件下での長時間クリープ曲線を短時間試験から推定する方法を確立することにある. 検討には, 核融合炉候補材料の一つである316ステンレス鋼のクリープデータを用いた. この材料は弾性限が低く, 弾性限以上の応力で加速クリープ試験が行なわれることが多い. そこで, 弾性限を境として何が変化するかに注意して検討した.
316ステンレス鋼においても, 次式でクリープ曲線が記述できる.
ε=εο+A{1ーexp(-αt)}+b{exp(αt)-1} (1)
εοはクリープ応力に比例し, 温度依存性を持たない. A,B,αは次式のように応力依存項と温度依存項の積として表現される.
A,B,α=f(σ/E)exp(ーQ/RT) (2)
ここでf(σ/E)はヤング率Eで規格化されたクリープ応力σの関数, Qは活性化エネルギー, Rはガス定数, Tは絶対温度である. αに対する活性化エネルギーは, 他の材料と同様に自己拡散の活性化エネルギーと一致した.
以上のように, 316ステンレス鋼でも各パラメータは単純な温度・応力依存性を示す. 従って, この材料においても, (1)式に基づく長時間クリープ曲線推定法を用いると長時間挙動が容急にかつ高精度で推定できる. 従来のフェライト鋼の結果も総合すると, 本方法は広範な材料に適用可能であると結論される.
弾性限以下の応力では負荷時に弾性変形しか起きない. これに対して, 弾性限以上では, 負荷時に瞬間塑性変形が起き, 加工した材料のクリープ試験を行なうことになる. このような違いのために, εο,A,Bの温度・応力依存性は弾性限の上下で異なったものとなる. 従って, 弾性限の低い材料では, 弾性限以下の応力で加速クリープ試験を行なうよう十分に留意する必要がある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 丸山 公一: 日本学術振興会第123委員会報告. 28. 135-141 (1987)

  • [文献書誌] MARUYAMA,Kouichi: Proceedings of ASME Pressure Vessels and Pipings Conference. (1988)

  • [文献書誌] MARUYAMA,Kouichi: Proceedings of International Symposium on Fusion Nuclear Technology. (1988)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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