研究概要 |
1)液体金属ミスト冷却実験装置を使用して直径100mmの銅製伝熱面(初期温度550℃)に液体金属ミスト流を水平方向に噴霧衝突させる冷却実験を実施し, 伝熱面温度並びに除熱負荷の分布特性について検討した. ナトリウムの物性値(表面張力, 粘性係数等)が水などの物質と大きく異なるため, 構造が簡単なgasーblastタイプのノズルでは, 良好な噴霧が実現できずニードルタイプのノズルがナトリウムの噴霧には適していることが判明した. 伝熱面温度300℃〜550℃の強制対流域では, 従来の小型ターゲット(直径50mm,タンタル製)を使用した結果と同様にナトリウム液滴径, 液滴速度の影響及び, 半径方向の質量流量分布, 液滴の衝突角度の変化, オーバーフロー等の影響は小さく熱伝達率ははぼナトリウム静量流量に比例することがわかった. しかしスプレーノズルの特性により伝熱面上での質量流量密度が分布を持つため, 熱伝達率もほぼ同様な分布を持つことになり, 広い面積を均一に冷却するためには質量流量密度分布がさらに均一なスプレーノズルを開発する必要があることが判明した. また, ミスト流の循環流動下の圧力損失及びミスト流の流動特性を観察するためアクリル製(一部ガラス性)のテストチャンバー(液体金属ミスト冷却実験装置のテスト部とほぼ同寸法)を制作し水を模凝流体として使用してミスト流流動特性の側定を行った. 2)CCTRの熱及び応力解析を行った. なおCCTRにおけるアーマ材には, 圧力等の支持の役割はないので最高温度が融点以下に抑えられればよいものとした. 液体金属ミストは, 低圧で使用可能であるため加圧水を用いた場合よりも相当応力の最大値が約10MPa低く抑えることができる. また, プラズマ容器の外面から1.6MW/m^2近い熱除去を行う手段として, 液体金属ミストの衝突噴流冷却が有効であることが判明した.
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