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1987 年度 実績報告書

トリチウムシミュレーターを用いた生物照射実験とトリチウム生物影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 62055009
研究機関東京大学

研究代表者

嶋 昭紘  東京大学, 理学部, 教授 (60011590)

研究分担者 酒井 一夫  東京大学, 医学部, 助手 (40153837)
鈴木 捷三  東京大学, 医科学研究所, 助手 (30012743)
小佐古 敏荘  東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (50114476)
井尻 憲一  東京大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (40111447)
キーワードトリチウムシミュレーター / 空間減衰方式 / フィルター減衰方式 / RBE / 染色体異常 / 突然変異 / 細胞死
研究概要

過年度に導入したトリチウムシミュレーターについて, その線量分布特性をさらに検討するとともに, トリチウム水のRBEを知るための種々の生物照射実験をおこなった.
線源部は1Ciと20Ciの^<137>Csより成り, コンピューター制御したくさび型鉄製フィルターと移動照射台を使って線量率を可変化しているのが, 本装置の特徴である. 移動照射台を使用する場合には, 半減期, 照射開始時の線量率と照射時間を入力し, これらの実験条件の実施の可否をコンピューターに判足させる. 可ならば設定条件のもとに, 照射を開始する. フィルター方式で線量率をかえる時には, 鉄の厚さがあまり厚くなると, エネリギースペクトルが変化する場合がある. 空間減衰方式あるいはフィルター減衰方式の選択は, 実験の目的に応じておこなえるようになっている.
このようなシミュレーターを用いて, トリチウム水のRBEを, いくつかの生物指標に関して調べたり, またそのための予備実験をおこなった. まず特定座位法による生殖細胞突然変異のガンマー線線量率効果や, メダカを用いて検討した結果, 優性致死突然変異については線量率効果がみられなかったが, 特定座位突然変異ではこれが認められたので, この系はシミュレーターを用いる今後の研究に有用である. 一方, すでに基礎データを蓄積している系については, (1)ヒト末梢血リンパ球の染色体異常を指標とした場合, RBEは低線量率(0.1rad/min)で2.32±1.69であることが再確認された, (2)従来からのマウス小腸に加えて大腸についてのクリプト細胞死を指標とするトリチウム水のRBEを調べたところ, 小腸では1.6であるのに対して大腸では1.3となり, 消化管の部位によってクリプト幹細胞のRBEが異なることが判明した. V79細胞系からは, 一定線量を対数的減衰線量率照射すると致死効果が増えることも示された.

研究成果

(8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘: Mutation Research. (1988)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘: Zoological Science. (1988)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘: Zoological Science. (1988)

  • [文献書誌] 井尻 憲一: British Journal of Cancer. 55. 113-123 (1987)

  • [文献書誌] 井尻 憲一: Int.J.Radiation Biology. (1988)

  • [文献書誌] 小佐古 敏荘: Radioisotopes. (1988)

  • [文献書誌] 嶋 昭紘: "Non Mammalian Animal Models for Biomedical Research,Vol.1,chap.2;Freshwater Fish in Research of Radiation Biology" CRC Press (U.S.A.), (1988)

  • [文献書誌] 井尻 憲一: "Perspectives on Mammalian Cell Death,Chapter 13:Cell Death in Cell Hierachies in Adult Mammalian Tissues." Oxford University Press (U.K.), 326-356 (1987)

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公開日: 1989-03-29   更新日: 2016-04-21  

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