研究課題/領域番号 |
62060001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
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研究分担者 |
金谷 和至 筑波大学, 物理学系, 助手 (80214443)
吉江 友照 筑波大学, 物理学系, 助手 (40183991)
小柳 義夫 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (60011673)
白川 友紀 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (20112021)
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
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キーワード | QCD / PAX / 演算要素 / クエンチ近似 / full QCD / 有限温度転移 / クォーク / 伝播関数 |
研究概要 |
昭和63年度完成した240台の演算要素(PU)から構成される並列計算機QCDPAXのハードウェアのデバッグに6ケ月程度かかった。原因はクロストーク、タイミングのずれ等によることが解明され、すべての演算要素に必要なパッチをあてて修正した。その結果長時間本格的な計算を安定して行うことが可能となった。 残りの演算要素は、上の改良を加えて製作を行い、全480台の演算要素の製作を完了した。約1割程度の演算要素に動作不良の部分があり、その原因解明と改良を重ねている。 一方、ソフトウェアの方は、素粒子物理のQCDの計算の為のプログラム開発、ライブラリの完備などが進められ、実際にクエンチ近似でのモンテカルロ法によるシミュレーションを行い程々の物理量を計算することが可能となった。 現在のコンパイラでは、充分オプティマイズされたコードを生成することはできないので、プログラムで良く使用される部分は中間的な言語gfa(quick floating assembly言語)を用いて、ライブラリを作成して高速化をはかることにした。例えば、QCDの計算では複素数を成分として3×3行列の乗算がひんぱんに用いられる。これをライブラリ化して、関数呼び出しの形で簡単に使用できるようにした。この事により、上に述べたクエンチ近似のモンテカルロ法のプログラム以外に、クォークの伝播関数を求めるプログラム、full QCDのプログラムを作成した。これによりクエンチ近似で、有限温度転移の一次相転移であることが再確認され、新しい精度の良い結果が得られた。
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