研究課題/領域番号 |
62060002
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
松尾 壽之 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (50028685)
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研究分担者 |
寒川 賢治 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00112417)
中山 建男 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (60031712)
五十嵐 正雄 群馬大学, 医学部, 教授 (90008219)
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キーワード | ANP / BNP / ビテロゲニン遺伝子 / クロマチン蛋白 / 生理活性ペプチド / プロセシング酵素 / KEX2プロテアーゼ / インヒビンβA鎖ダイマー |
研究概要 |
生理活性ペプチドの多角的かつ系統的検索とそれらが作動する未知の生体機序の解明を目指した本研究において、下記のような成果を得た。 1)体液量および血圧調節に関与するNa利尿ペプチドにはANP-BNPファミリーの存在することを明らかにした。脳内ではBNP-26およびBNP-32として、心房ではBNP-106の大分子型として存在することを証明し、それらの全構造を決定した。また、BNP前駆体(131残基)のcPNA解析を完了し、BNPの生合成経路が、ANPと類似したパターンを示すことを証明した。 2)ビテロゲニン遺伝子と強く結合する非ヒストンクロマチン蛋白質(VS蛋白質)の全構造決定のため、その染色体DNAの単離同定を行った。N-末端から一部アミノ酸配列を決定し、49個の合成ヌクレオチドを用いて、ニワトリの染色体DNAライブラリーから36個のポジティブなクローンを単離した。これらのインサートの解析の結果、その中の1つ(λVS6)の中にVS蛋白質のアミノ酸配列に相当する塩基配列が含まれていた。 3)塩基性アミノ酸対(X-Y)プロセシング酵素系を解明するため、α接合因子およびキラートキシンを産生する酵母のプロセシング酵素について検討し、KEX2プロテアーゼのDNA配列を決定した。KEX2遺伝子は814アミノ酸残基をコードし、そのN末端部にサブチリシン様構造を有することを明らかにした。KEX2遺伝子を導入したKex2変異株の模画分より部分精製したKEX2プロテアーゼはX-Yに高い特異性を示した。 4)インヒビンβA鎖ダイマーがラット卵巣顆粒膜細胞でFSHリセプターを誘導することを明らかにし、さらにインヒビンβA鎖ダイマーのリセプターもまた顆粒膜細胞に存在していることを証明した。recombinantヒトインヒビンおよびβA鎖ダイマーを作製し、その作用を検討した。βA鎖ダイマーは、天然にはその存在は証明されていないが、recombinant βA鎖ダイマーも、ラット下垂体細胞からのFSH分泌を促進することを示した。
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