研究概要 |
並列推論サブシステムの研究では, まずその全体アーキテクチャを検討し, 64台の推論ユニットを2系統の自動負荷分散機構付き相互結合網で接続する方式を提案した. これは2つの結合網により各推論ユニットへの均等な処理負荷の割付けとアクセス衝突の起きにくいデータ配列を行う点に特徴がある. 次に, この結合網の構成部品となるスイッチングユニットLSIの設計と, これを用いた結合網ハードウエアの構成法の検討を行なった. 一方, 並列プログラミング言語については, 言語にLENGを提唱案し, 汎用計算機上に評価用処理系を作成した. そして, 並列処理実験機上にFLENGの実験用処理系を実装することにより, 推論ユニット内処理方式の詳細化を進め, 基本処理方式を確立する一方, 処理速度・必要メモリ量両面で効率化を図る手法の提案を行った. また, シミュレーションにより, 推論ユニット間処理方式の検討と評価を開始し, 自動負荷分散方式の有効性についての感触を得た. 更に, 並列論理型言語のデバッグ法に関する検討も行った. 知識ベース管理サブシステムの研究では, 機能ディスクシステム第2版を構築し, 関係代数演算の高速化における動的クラスタリングアルゴリズムの有効性を確認するとともに, ステージングハッファの容量を超える数百MBの巨大ファイルに対して, 動的外部クラスタリングの機構を新たに開発し, 一部を実装することにより他システムに比較し高い性能を達成できることを確認した. さらに構成要素としての18段パイプライン超高速ハードウエアソータを構築し, これらの基礎データをもとに開発ターゲットである数十台のプロセッサから成る大規模マシンの方式設計を進めた. またユニフィケーションを導入した拡張関係代数演算方式についても新しい方式を開発し, その評価を進めた.
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