研究分担者 |
高木 英典 東京大学, 工学部, 助手 (40187935)
田島 節子 東京大学, 工学部, 講師 (70188241)
藤原 毅夫 東京大学, 工学部, 助教授 (90011113)
内田 慎一 東京大学, 工学部, 助教授 (10114399)
内野倉 國光 東京大学, 工学部, 助教授 (20015564)
|
研究概要 |
実験的研究では次のような成果があった. 酸化物高温超伝導体の超伝導機構を解明するには, 高温超伝導体の常伝導状態での電子状態を理解することが不可欠であるという観点から, よく特性を評価した試料についての常伝導状態での性質を研究した. 40K超伝導体(La_<1-Y>Sr_Y)_2CuO_4および90K超伝導体YEa_2Cu_3O_yにおいて組成る×またはyを変え, 種々の輸送係数(抵抗率, ホール係数, ゼーベック係数), 帯磁率, 光反射の測定を行い, その結果に基づいて, この2つの高温超伝導体には多くの類似性があり, 電子相関が重要であることを指摘した. まこ最近, 上記の2種の高温超伝導体の単結晶作製に成功し, その諸特性を明らかにしつつある. また, LnBa_2Cu_3O_y(Ln=Y, ランタノイド)の中で90K超伝導が実現せず, 超伝導になるものを正方晶系であって, 他のLnBa2Cu3Oyと異なり一次元鎖か存在しなくても高温超伝導になると指摘されていたLaBa_2Cu_3O_yの90K超伝導相を実現し, それが他のLaBa_2Cu_3O_yと同じ斜方晶であることをはじめて報告した. またこの系では, LaBa_2Cu_3O_yという固溶体が存在するため, LaBa_2Cu_3O_yが存在しないのではないかという疑問に対しては, 中性子回析により, 確かに存在することを確認した. 高温超伝導体薄膜の作製に関しては, スパッタリングと電子ビーム蒸着法により良質薄膜の作製に成功しつつある. また最近発見されたBi-Sr-Ca-Cu-O高温超伝導体に関しても, 単結晶作製とその物性研究で成果をあげつつある. 理論的研究では, La_2CuO_4YBa_2Cu_3O_<7-δ>(δ=1, 0, -1)の常磁性相, 反強磁性相の電子バンド構造を計上し, またCu-O平面上のハバードモデルに対する量子モンテカルロ法のフログラム開発をほぼ完了した.
|