研究概要 |
(1)理論言語学の研究グループでは, 記号理論に基づく言語の意味記述, 日本語文法の句構造文法理論による形式化, 文脈理解, 文章構造の解明と生成システム, 英語の言語理論などにおいて, かなりの進歩があった. (2)言語の対照研究のグループでは, 語いと語情報に関する日英対照, シソーラス, 日本語とドイツ語における文法の対照, 文の構造とあいまいさ, 意味などの諸問題において, 研究が進展した. (3)文脈情報処理研究のグループでは, 文脈構造と言語表現の理論的・情報処理モデル的研究, 知識との関係, 対話における文脈モデル, 対話における原則と逸脱, 発話行為と状況, 指示性, 結末性等に関する研究で, かなりの進歩があった. (4)言語データ処理の研究グループでは, 複合語, 学術用語のデータ収集と機械辞書化, 解析, 造語モデル, 類義語・シソーラスなどの研究が日本語を主として行われ, 成果をあげており, 英語との対照, 朝鮮語等についても研究が進んだ. (5)ドクメンテーションのための言語研究のグループでは, 専門用語の自動収集と語いの分析, 造語モデル, 語の用法, 概念との関係, シソーラス, 情報検索のための言語などの研究にかなりの進歩があった. (6)人間的言語処理過程の研究グループでは, 語句の認知, あいまい文, 難解文章の理解過程, そのメンタルモデルなどにかなりの進歩があった. 昭和61年度の研究の進展にくらべ, 昭和62年度の研究は全ての研究において, 実質的な進歩があり, 多くの研究成果が出来つつある. 特定研究というグループを形成して研究を進めて来た効果が確実に現れて来たといえる.
|