研究分担者 |
山本 興太朗 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所, 助手 (80142008)
松尾 拓 九州大学, 工学部, 教授 (30037725)
朴 鐘震 大阪大学, 工学部, 助教授 (90135658)
臼井 義春 茨城大学, 理学部, 教授 (60004347)
國分 泱 東北大学, 理学部, 助教授 (50004271)
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研究概要 |
光化学プロセスを高効率で進行させるために重要な増感剤について下記の研究を行った. 1.有機色素による増感反応機構.アントラセン置換オレフィンのシス型からトランス型への片道異性化が高い量子収量で量子連鎖的に起こり, この量子増幅効果が有機色素により効率よく増感されることを明らかにした. またキサンテン系色素およびアクリジン系色素からアントラセン誘導体への三重項エネルギー移動を経由するメチルビオローゲンの増感光還元を達成した. 2.電子プールを備えた電子移動増感系.ポリフィリン亜鉛錯体とビオローゲン間の光誘起電子移動で生成した三重項ラジカル対の寿命に対する外部磁場の効果を研究し, この逆電子移動に及ぼす効果を究明した. 3.新規金属錯体の調製と増感効果.レニウム(i)錯体による二酸化炭素の選択的光還元の触媒活性種の解明に関連して, ブロムトリカルボニル(2.2'-ビピリジン)レニウム(I)はトリエチルアミンによりビピリジン配位子の5位が光化学的にエチ ル化されることを見出した. またルテニウムトリス(ビピリジン)塩はトリエチルアミンにより新しい光電子移動をおこす. 4.三重項間の作用.これに関連して直接三重項を生成しにくいシアノアントラセンやペリレンなどの遅延蛍光効率を決定する手法を開発し, これらの化合物の効率がアントラセンと同程度であることを明らかにした. 5.生体系の増感機構に関し, フィトクロムの赤色光吸収型を形成しているドメインの局在性とその光化学的性質を解明した.
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