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1987 年度 実績報告書

高密度光束利用のための基礎手法

研究課題

研究課題/領域番号 62113007
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

吉原 経太郎  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40087507)

研究分担者 増原 宏  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60029551)
小尾 欣一  東京工業大学, 理学部, 教授 (10016090)
閑 春夫  群馬大学, 工学部, 教授 (40008454)
又賀 昇  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30029368)
キーワード振動エネルギー再配分 / 無輻射遷移 / ピコ秒分光 / 電子一正孔対 / ピコ秒紫外多光子ホトリシス / ジメチルシリレン / ポリシラン / 多光子励起 / 励起酸素原子 / レーザー誘起反応 / アブレーション / 高分子フィルム
研究概要

本研究班では高密度光束(主としてレーザー)を有効利用するための手法の開発と高密度光束利用に伴う特有の分子過程の研究を行い重要な成果を挙げた. 高密度光束利用のための手法の開発. 「高密度光束パルスを用いた分子ダイナミックスの研究」(吉原)では, ベンゼンの分子内振動エネルギー再配分を紫外ピコ秒可変波長レーザーによる2色2光子イオン化法によって調べ, 振動モードと振動エネルギー依存性に関し基本となる知見を得た. 「大光量高光束レーザー誘起による有機固体反応」(増原)では, π電子系クロモフオアを含む高分子フィルムのレーザーアブレーションを行い, 時間分解蛍光法によってレーザー出力に依存した新発光種を見出し, その機構を明らかにしつつある.
高密度光束利用に伴う特有の分子過程の研究. 「ピコ秒多光子レーザーホトリシスおよび時間分解法による反応ダイナミックスの研究」(又賀)では, アルカン類純液体の266nmピコ秒2光子励起の結果生成する電子一正孔対の初期分布はδ関数型として解析でき, 対間距離30〜40A2F2と見積られることを示した. これはβ-線励起の際の60A2F2に比べて短く, 初期分布に対する過剰励起エネルギーの効果を示していることが分った. アルコール純液体の多光子イオン化による触媒和電子生成過程についても詳しく調べた. 「NO_2の可視多光子吸収による励起酸素原子の生成と反応」(小尾)では, NO_2の可視多光子励起法により準安定な励起酸素原子O(^1S)が分解・生成する新しい反応プロセスの機構を明らかにした. 生成物の振動エネルギー分布からO(^1S)+NO_2+NO_2の反応ダイナミックスが引抜き的であることを見出した. 「レーザー光分解による新反応プロセスの研究」(閑)では, 六員環状ポリシランをレーザー励起してジメチルシリレンの生成する機構を時間分解吸収・発光分光法によって詳細に調べた.

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] N.Nakshima,K.Yoshihara: Laser Chem.7. 177-196 (1987)

  • [文献書誌] Y.Kajii,K.Obi,I.Tanaka,N.Ikeda,N.Nakashima,K.Yoshihara: J.Chem.Phys.86. 6115-6118 (1987)

  • [文献書誌] H.Petek K.Yoshihara: J.Chem.Phys.87. 1458-1460 (1987)

  • [文献書誌] N.Nakashima,N.Ikeda,N.Shimo,K.Yoshihara: J.Chem.Phys.87. 3471-3481 (1987)

  • [文献書誌] M.Sumitani,Y.Takagi,K.Yoshihara,: Chem.Phys.Lett.140. 486-470 (1987)

  • [文献書誌] H.Miyashita,N.Mataga: Chem.Phys.Lett.134. 480-484 (1987)

  • [文献書誌] H.Miyasaka,H.Masuhara,N.Mataga: Laser Chem.7. 119-128 (1987)

  • [文献書誌] H.Shizuka,K.Okazaki,H.Tanaka,M.Tanaka,M.Ishikawa,M.Sumitani,K.Yoshihara: J.Phys.Chem.91. 2057-2062 (1987)

  • [文献書誌] H.Shizuka,H.Tanaka,K.Murata,H.Hiratsuka,J.Ohshita,M.Ishikawa: Chem.Phys.Lett.143. 225-229 (1987)

  • [文献書誌] T.Ishiwata,T.Hara,K.Obi,I.Tanaka: J.Chem.Phys.87. 2513-2521 (1987)

  • [文献書誌] Y.Kajii,K.Obi,N.Nakashima,K.Yoshihara: J.Chem.Phys.87. 5059-5063 (1987)

  • [文献書誌] S.Hiraoka,K.Shibuya,K.Obi: J.Mol.Spectrosc.126. 427-435 (1987)

  • [文献書誌] H.Masuhara,H.Hiraoka,E.E.Marinero: Chem.Phys.Lett.135. 103-108 (1987)

  • [文献書誌] H.Masuhara,H.Hiraoka,K.Domen: Macromolecules. 20. 450-452 (1987)

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公開日: 1989-03-30   更新日: 2016-04-21  

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